『信長公記を読む』(歴史と古典)
    堀  新 編

             2009年2月1日・吉川弘文館発行
             B6判・270頁・定価2800円+税


 目  次


信長公記とその時代               堀  新  1

1 下剋上から天下統一へ 1
   戦国の世と軍記物語/将軍暗殺の衝撃/信長の清須城攻略/
   主君による「御謀叛」/足利義昭の「筋目なき御謀叛」

2 信長の上洛と「天下再興」 12
   信長上洛の大義名分/足利義昭からの呼びかけ/美濃平定と
   「天下再興」/義昭からの恩賞辞退/信長・義昭の連合政権/
   「天下の儀」委任と信長/義昭との暗闘/「天下再興」再び

3 信長の天下統一と天皇・朝廷 22
   信長への勅使派遣/天正改元/正親町天皇の譲位問題/「記録
   所再興」と公武結合王権/『平家物語』史観と信長/信長への
   三職推任問題/〈日本国王〉から〈中華皇帝〉へ


T 史実と古典


一 信長公記と信長記、太閤記         柳沢昌紀  38

   1 太田牛一と小瀬甫庵 38
     二種類の信長記/二人の経歴と著作

   2 信長記の出版と本文改訂 42
     意外に早かった出版/出版後の本文改訂/改訂は就職活動の一
     環/甫庵『信長記』の性格

   3 太閤記の執筆と史実改変 51
     執筆の方法/史実改変の実態

 〔コラム〕信長公記の諸本(和田裕弘) 56


二 信長と安土城               松下 浩 64

   1 安土城のイメージ 64
     安土城の歴史/安土城の終焉/近世城郭の始祖、安土城/深ま
     る安土城の謎

   2 発掘調査にみる安土城の構造 68
     発見された築城当時の大手道/大手門周辺から発見された複数
     の虎口/大手南面の広場/城内屋敷地の構成/伝本丸跡から発
     見された建物跡

   3 安土行幸と安土城 76
     信長の安土行幸計画/行幸を考えて築かれた安土城/伝本丸跡
     の行幸御殿/伝二の丸跡には行幸御殿は無かった

   4 信長と安土城 84
     信長のイメージ

 三 信長と合戦               桐野作人 85

   1 信長の合戦の特質 85

   2 尾張統一期における合戦の特質―軍団構成と軍事カリスマ性―
                               87
     旗本衆を中心とする軍団構成/軍事カリスマの萌芽/鉄炮の活
     用と攻城戦方式の萌芽

   3 桶狭間合戦の論点―正面攻撃説の再検討― 92
     正面攻撃説と乱取状態急襲説/義元の進路と本陣の位置

   4 攻城戦方式の確立―付城と長期的遮断戦術― 97
     元亀争乱の限界性/大坂本願寺包囲戦の意義/方面軍の分節と
     付城戦術の展開

   5 信長と火器について―鉄炮と大砲― 101
     長篠合戦と鉄炮/信長と大砲/短期型「速攻」戦術の中核とし
     ての大砲

   6 統一権力の戦争―接近戦から遠攻戦ヘ― 106

〔コラム〕本能寺の変―信孝の処遇と明智家中の利害―(網野作人)108


 四 宣教師からみた信長・秀吉          松本和也 111

   1 宣教師の日本国家観 111
     西洋と東洋との出会い/ザビェルの日本国王観/畿内布教と権
     力者観の変化/戦国期日本の国家観

   2 宣教師のみた信長 116
     尾張の国王信長/天下の君主

   3 宣教師のみた秀吉 122
     信長の一武将秀吉/関白秀吉/秀吉と天皇/宣教師の信長・秀
     吉への期待

〔コラム〕戦国の村社会(齋藤悦正) 129


U 構想と世界観


 一 太田牛一の歴史認識           村上 隆 132

   1 和辻哲郎の鎖国論と信長 132
     『鎖国』/鎖国の概念/従来の鎖国観/和辻の信長評

   2 信長公記の性格 136
     記録性と大衆性/信長公記の記録性

   3 天道と信長 138
     愚管抄にみる天道/天道と運命

   4 戦国武将の天道思想 142
     神秘性と倫理性/下克上の精神

   5 首巻における天道 146
     二書の比較

   6 清州勢力との戦いと天道 147
     戦いの経緯/記述の矛盾点/天道と〈強さ〉

   7 桶狭間合戦と天道 150
     天道で語る義元の死/山口左馬助父子の謀反/謀反の意味する
     ところ

   8 「勘十郎殿・林・柴田御敵の事」と天道 153
     「勘十郎殿・林・柴田御敵の事」/「火起請御取り候事」

   9 一五巻にみえる天道 156
     天道の位置付け/御院宣の権威を語る天道/一向一揆における
     天道/「叡山御退治の事」中の天道

   10 牛一と甫庵 160
     牛一にとっての信長/「ありのまま」の尊重


 二 天下と公儀             久保健一郎 163

   1 「天下」「公儀」の歴史と信長 163
     信長における「天下」「公儀」検討の意味/古代・中世の「天
     下」「公儀」/戦国大名と「天下」「公儀」/信長と「天下」「公
     儀」

   2 「天下」と二つの「公儀」 170
     信長と将軍の「公儀」/信長の「天下」と戦国大名の「公儀」


 三 戦国軍記の構成と構想         長谷川泰志 180

   1 平和と戦国軍記 180
     近世の平和/軍記出版ブーム

   2 軍記の読まれ方 182
     笠間儀兵衛の場合/清水景治の場合/亀田高綱の場合/覚書と
     軍記

   3 牛一と甫庵の方法 191
     記録か構成か

〔コラム〕 呪いの文字瓦(竹間芳明) 195


V 信長公記、太閤記以後


 一 信長・秀吉像の変遷 若き日の〈出会い〉をめぐる物語
                    阿部一彦 198

   1 戯作と芝居の世界 198

   2 若き日の信長・秀吉の〈出会い〉 200
     橋上の〈出会い〉の虚構/秀吉、松下加兵衛の元を去る/秀吉、
     信長に仕える/若き日の信長と秀吉/斎藤道三と濃姫/小牧城
     と吉乃

   3 『武功夜話』の信長・秀吉像 211
     生駒屋敷−日本の梁山泊―/信長と秀吉―「良禽は枝を選ぶと
     かや」―

 〔コラム〕 お市と濃姫(桐野作人) 215


 二 天下人と茶の湯          矢部健太郎 219

   1 織田信長が好んだ文化 219
     中世の武家権力者と文化/信長公記における文化の描写/信長
     の「名物」好み

   2 信長と茶の湯 225
     信長の茶の湯のキーワード/「名物狩り」は「強制買収」か
     「品評会」か/「名物召し置かるゝの事」―「召し上げる」と
     「召し置く」と―/文化面での「下剋上」―戦国期の新興文化
     たる茶の湯−

〔コラム〕楽市楽座と撰銭令(川戸貴史) 238


 三 「長篠合戦図屏風」を読む     高橋 修 240

   1 画面構成と成立年代 241
     織田・徳川連合軍の構成/鉄砲三千挺の連射/武田方の布陣/
     何時、描かれたか

   2 成瀬家の一七世紀 250
     家康の小姓から側近へ/付家老として犬山へ

   3 成瀬家旧蔵本の成立 252
    左隻は長久手合戦図/徳川の戦争/屏風が作られた理由


参考文献 257

あとがき 265

執筆者紹介 268

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