深沢秋男研究室 自著を語る 3


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◆自著を語る 3◆
自著を語る・3

【28】神宮々司拝命記 共編著
B6判、140頁、平成10年7月25日、編著者 鹿島則良・加藤幸子・深沢秋男、発行者 深沢秋男、非売品、自費出版。

目 次
  口絵写真
  凡例
神宮々司拝命記 上
神宮々司拝命記 下
『神宮々司拝命記』書誌
鹿島則孝略伝
鹿島則文略伝
幕末から明治にかけての神社界と鹿島家(鹿島則良)
『神宮々司拝命記』と伊勢神宮
伊勢神宮拝観記(加藤幸子)

●平成5年6月13日、『鹿島則孝と『桜斎随筆』』が完成したのを機に、鹿島則幸氏のお子様、田中八栄子氏が来宅され、鹿島則孝・則文関係の資料、37冊を持参された。それは、以下の通りである。

◎雑記 全            1冊
◎厳桜舎詠草 上下        2冊
◎復古二年紀 上中下       3冊
◎飛鳥川附録、随筆別冊      1冊
◎詠草  則文          1冊
◎ 桜斎書牘集 教院録 四     1冊
       伊勢記 五     1冊
       〃   六     1冊
       皇典講 七     1冊
       究所記 八     1冊
       〃   九     1冊
       〃   十     1冊
◎弘化三丙午年正月十四日     1冊
 則孝 束着初之式
◎水戸家書類 全         1冊
◎桜斎家督記           1冊
◎幕府祈祷次第記         1冊
◎則文諸祝儀 全         1冊
◎末社遷宮記           2冊
◎都日記 上下          2冊
◎ 嘉永七甲寅年品川御台場へ    1冊
当宮御勧請仰付候次第
◎ 雑録 全(康安元年旧記)    1冊
◎ 万我津日の記 上下・附録    3冊
◎ 三月十七日差出拝借地預・・   1冊
◎ 御本宮之図(玉垣・御内陣之図) 1冊
◎ 辰十二月四日御内陣初而開扉   1冊
◎ 家茂将軍謁見記         1冊
◎ 幕府朱印改渡記         1冊
◎ 上京日記 単          1冊
◎ 旧幕府判物差出         1冊
本宮御印鑑御下り預
◎ 明治元年戊辰三月十五日     1冊
勅祭祝詞写
 
この、合計37冊であった。いずれも幕末の社会や伊勢神宮と鹿島神宮大宮司家との関係を知る上で興味深い資料である。しかし、これを出版社に依頼して出版する事は、様々な点で困難が伴う。そこで、『桜斎書牘集』の中の『伊勢記』2冊(『神宮々司拝命記』)を取りあえず出版して世間に知ってもらい、全資料の刊行へつなげようと計画した。
●共編著者の鹿島則良氏は、鹿島則幸氏の御子息で、現在の鹿島神宮の宮司である。加藤幸子氏は、昭和女子大学図書館の研究員で、昭和61年9月に「桜山文庫」が鹿島則幸氏から昭和女子大学へ一括譲渡された時、全蔵書を整理された方である。『神宮々司拝命記』の本文は、加藤氏が翻字した原稿を私が確認して仕上げた。鹿島則良氏には鹿島家と幕末明治の社会との関りを執筆して頂いた。このような事情で三者の共編著とした訳である。
●ところで、この『神宮々司拝命記』に関して、私のホームページ「近世初期文芸研究会」の中の「鹿島則文と桜山文庫」の項に「この本を必要な方には送料のみ送ってくれれば、無料で差し上げます。」と3年間ほど掲示しておいたけれど、申込者は1人も無かった。
●現在は『神宮々司拝命記』の本文のみは、前述のHP「鹿島則文と桜山文庫」の中と、もう一つ菊池真一氏の運営する「J−TEXTS(日本文学電子図書館)」の中に公開している。


【29】桜斎随筆 第1巻 共編?
B5判、422頁、平成12年11月10日、復刻版発行、発行者 阿部修、発行所 衙椶陵Ъ辧定価は第6巻の奥付に記載。
       
第1巻目次
鹿島則孝略伝
鹿島則文略伝
『桜斎随筆』書誌
 凡例
 判読未詳部分等の注記
 本文目録
 本文複製
  第1冊(巻1上)
  第2冊(巻1下)
  第3冊(巻2上)
  第4冊(巻2下)
付記

●この本の奥付を見て私は唖然とした。どのような性質の本であろうか。私は本が発行されて初めて奥付を見た。編集者は奥付の校正を私に見せなかった。『桜斎随筆』は誰の著作であろうか。その著作を誰が編纂して出版したのだろうか。出版社の宣伝広告を見たら、私は監修者になっていた。私は、監修者になるような大人物ではない。この本を出すために、身を粉にして労働したのである。
●私は、この鹿島則孝の残した膨大な記録を後世に伝えるために、長年苦労を続けてきた。この第1巻に収録された原稿は全て私が執筆したものであり、複製の原稿も私が作成したものである。私はこの本文の版下原稿を作成するために、新しくリコーの複写機IMAGIO MF2230をリースで導入し、3ヶ月以上の時間を投入して仕上げたのである。にもかかわらず、この本の奥付には、鹿島則孝の名も深沢秋男の名も記されていない。
●この本は、第1巻から第6巻まで、第1回配本として、一挙に発行された。早速、出版社に連絡して、これでは第2回配本以後は出版させない、と厳重に抗議した。また、「復刻版」といのもおかしいので、「複製」に改めるよう注意した。幸い第2回配本以後は、普通の奥付になった。まず、この異常な奥付について説明しておく。


【30】桜斎随筆 第2巻 共編?
B5判、378頁、平成12年11月10日、復刻版発行、発行者 阿部修、発行所 衙椶陵Ъ辧定価は第6巻の奥付に記載。
       
第2巻目次
 凡例
 判読未詳部分等の注記
 本文目録
 本文複製
  第5冊(巻3)
  第6冊(巻4)
  第7冊(巻5上)
  第8冊(巻5下)


【31】桜斎随筆 第3巻 共編?
B5判、334頁、平成12年11月10日、復刻版発行、発行者 阿部修、発行所 衙椶陵Ъ辧定価は第6巻の奥付に記載。
       
第3巻目次
 凡例
 判読未詳部分等の注記
 本文目録
 本文複製
  第9冊(巻6上)
  第10冊(巻6下)
  第11冊(巻7)
  

【32】桜斎随筆 第4巻 共編?
B5判、310頁、平成12年11月10日、復刻版発行、発行者 阿部修、発行所 衙椶陵Ъ辧定価は第6巻の奥付に記載。
       
第4巻目次
 凡例
 判読未詳部分等の注記
 本文目録
 本文複製
  第12冊(巻8)
  第13冊(巻9)
  第14冊(巻10上)
  第15冊(原本欠)


【33】桜斎随筆 第5巻 共編?
B5判、398頁、平成12年11月10日、復刻版発行、発行者 阿部修、発行所 衙椶陵Ъ辧定価は第6巻の奥付に記載。
       
第5巻目次
 凡例
 判読未詳部分等の注記
 本文目録
 本文複製
  第16冊(巻11上)
  第17冊(巻11下)
  第18冊(巻12)
  第19冊(巻13)


【34】桜斎随筆 第6巻 共編?
B5判、338頁、平成12年11月10日、復刻版発行、発行者 阿部修、発行所 衙椶陵Ъ辧定価120000円。
       
第6巻目次
 凡例
 判読未詳部分等の注記
 本文目録
 本文複製
  第20冊(巻14)
  第21冊(巻15)
  第22冊(巻16)
  

【35】桜斎随筆のしおり 共編
B5判、104頁、平成12年11月10日、復刻版発行、発行者 阿部修、発行所 衙椶陵Ъ辧定価は第6巻の奥付に記載。
       
目 次
一、 鹿島則孝略伝
二、 鹿島則文略伝
三、 「桜山文庫」と『桜斎随筆』
四、 鹿島則孝と桜(鹿島則良)
五、 『桜斎随筆』書誌
六、 『桜斎随筆』全冊の総目録
七、 『桜斎随筆』の内容
八、 各巻収録内容一覧

●このように、奥付には編者の氏名は記されていない。ただ、前表紙には「鹿島則良 深沢秋男 編著」と入っているので、編著者が誰であるかわかる。


【36】桜斎随筆 第13巻 共編
B5判、458頁、平成13年11月10日、本の友社発行、定価は第18巻の奥付に記載。編著者 鹿島則孝、編者 鹿島則良・深沢秋男。

第13巻目次
 凡例
 判読未詳部分等の注記
 本文目録
 本文複製
  第38冊(巻32)
  第39冊(巻33)
  第40冊(巻34)
  第41冊(巻35)


【37】桜斎随筆 第14巻 共編
B5判、460頁、平成13年11月10日、本の友社発行、定価は第18巻の奥付に記載。編著者 鹿島則孝、編者 鹿島則良・深沢秋男。

第14巻目次
 凡例
 判読未詳部分等の注記
 本文目録
 本文複製
  第42冊(巻36)
  第43冊(巻37)
  第44冊(巻38)
  第45冊(巻39)


【38】桜斎随筆 第15巻 共編
B5判、448頁、平成13年11月10日、本の友社発行、定価は第18巻の奥付に記載。編著者 鹿島則孝、編者 鹿島則良・深沢秋男。

第15巻目次
 凡例
 判読未詳部分等の注記
 本文目録
 本文複製
  第46冊(巻40)
  第47冊(巻41)
  第48冊(巻42)
  第49冊(巻43)


【39】桜斎随筆 第16巻 共編
B5判、408頁、平成13年11月10日、本の友社発行、定価は第18巻の奥付に記載。編著者 鹿島則孝、編者 鹿島則良・深沢秋男。

第16巻目次
 凡例
 判読未詳部分等の注記
 本文目録
 本文複製
  第50冊(巻44)
  第51冊(巻45)
  第52冊(巻46)
  第53冊(巻47)


【40】桜斎随筆 第17巻 共編
B5判、374頁、平成13年11月10日、本の友社発行、定価は第18巻の奥付に記載。編著者 鹿島則孝、編者 鹿島則良・深沢秋男。

第17巻目次
 凡例
 判読未詳部分等の注記
 本文目録
 本文複製
  第54冊(巻48)
  第55冊(巻49)
  第56冊(巻50)
  

【41】桜斎随筆 第18巻 共編
B5判、466頁、平成13年11月10日、本の友社発行、定価120000円。編著者 鹿島則孝、編者 鹿島則良・深沢秋男。

第18巻目次
 凡例
 判読未詳部分等の注記
 本文目録
 本文複製
  第57冊(巻51)
  第58冊(巻52)
  第59冊(巻53)
  第60冊(巻54)


【42】桜斎随筆 第7巻(『あすか川』) 共編
B5判、398頁、平成14年11月10日、本の友社発行、定価は第12巻の奥付に記載。編著者 鹿島則孝、編者 村上直・深沢秋男。

第7巻目次
 凡例
 判読未詳部分等の注記
 本文目録
 「あすか川」解説・内容(村上直)
 本文複製
  第23冊(巻17)
  第24冊(巻18)
  第25冊(巻19)
  

【43】桜斎随筆 第8巻(『あすか川』) 共編
B5判、584頁、平成14年11月10日、本の友社発行、定価は第12巻の奥付に記載。編著者 鹿島則孝、編者 村上直・深沢秋男。

第8巻目次
 凡例
 判読未詳部分等の注記
 本文目録
 本文複製
  第26冊(巻20)
  第27冊(巻21)
  第28冊(巻22)


【44】桜斎随筆 第9巻(『あすか川』) 共編
B5判、392頁、平成14年11月10日、本の友社発行、定価は第12巻の奥付に記載。編著者 鹿島則孝、編者 村上直・深沢秋男。

第9巻目次
 凡例
 判読未詳部分等の注記
 本文目録
 本文複製
  第29冊(巻23)
  第30冊(巻24)
  

【45】桜斎随筆 第10巻(『あすか川』) 共編
B5判、402頁、平成14年11月10日、本の友社発行、定価は第12巻の奥付に記載。編著者 鹿島則孝、編者 村上直・深沢秋男。

第10巻目次
 凡例
 判読未詳部分等の注記
 本文目録
 本文複製
  第31冊(巻25)
  第32冊(巻26)


【46】桜斎随筆 第11巻(『あすか川』) 共編
B5判、528頁、平成14年11月10日、本の友社発行、定価は第12巻の奥付に記載。編著者 鹿島則孝、編者 村上直・深沢秋男。

第11巻目次
 凡例
 判読未詳部分等の注記
 本文目録
 本文複製
  第33冊(巻27)
  第34冊(巻28)
  第35冊(巻29)


【47】桜斎随筆 第12巻(『あすか川』) 共編
B5判、372頁、平成14年11月10日、本の友社発行、定価120000円。編著者 鹿島則孝、編者 村上直・深沢秋男。

第12巻目次
 凡例
 判読未詳部分等の注記
 本文目録
 本文複製
  第36冊(巻30)
  第37冊(巻31)
あとがき(深沢秋男)
  
●鹿島則孝の『桜斎随筆』全60巻・3500丁・7000頁という膨大の資料は、3年間かけてようやく出版が完了した。この幕末・維新の貴重な記録は永遠に伝えられるであろう。これで、鹿島則幸氏へのお礼も出来たし、鹿島則孝の思いも後世へ伝える事が出来た。しかし、それよりも、この貴重な資料を後世の人々は閲覧する恩恵を受けるであろう。私は一仕事を終えて、ホッとした。
●しかし、この本の出版に至るプロセスは長かった。そして、出版の条件も厳しいものであった。全18巻の最終配本の最終巻の「あとがき」に、私は次の如く記した。
「……則孝は(著作の少ない)則文と異なり、自らの詩文を作り、多くの書写本を残している。その書目についてはすでに記したので重複は避けるが、『桜斎随筆』60冊を含めて100冊の余となる。これらの則孝の書写本に出会ったのは、平成2年10月のことであった。鹿島則幸氏の御配慮によるものである。私は、この膨大な写本を目の前にして、これを何とか多くの人々に見て頂けるようにしたいと考えた。様々な曲折はあったが、幸い本の友社の御厚意によって、この大部な写本を原寸で複製出版することが決まった。全18巻、3年間の長い作業あったが、ようやく完結の段階までこぎつけることが出来た。鹿島則幸氏は、平成5年他界され、御生前にこの出版が実現出来なかった事は、返す返すも残念である。
平成12年、第1回配本を発行したが、発行部数は50部という条件であった。この厳しい出版状況下では、これもやむを得ないことである。しかも、この50セットさえ完売は危ぶまれる、という状態であった。私自身、初めての経験であったが、知人の方々に、関係諸機関への購入の働きかけをお願い申し上げた。万一、第1回配本で完売の目処が立たない場合、全巻の発行さえ実現が心配されたのである。幸い、本の友社をはじめ、皆様方の御配慮で、第3回配本も発行が可能となった。ここに記して心からの感謝を申し上げる。……第3回配本は、「あすか川」で幕末維新の歴史的記録であるため、法政大学名誉教授・村上直先生の御指導を賜った。原本所蔵者・鹿島則良氏は、長期間に亙ってその借用をお許し下さった。両氏の御厚情に対して深甚なる感謝の意を捧げたい。……以上、『桜斎随筆』完結にあたって、出版の経過等を記して、関係の皆様への御報告と、心からの御礼と致します。平成14年9月7日 深沢秋男」
●『桜斎随筆』刊行の経緯のあらましは、この「あとがき」でも分ると思うが、全60冊、7000頁に及ぶ膨大な資料の出版は、そう簡単ではなかった。長い年月と、多くの方々の御配慮とを頂き、紆余曲折の末の50部の出版であった。それらの経過を略述しておきたい。
●平成2年10月15日、鹿島則幸氏から1冊の写本が送られてきた。『桜斎随筆』巻6の上だった。この中で鹿島則孝は『井関隆子日記』の事を書いていた。それを則幸氏は教えて下さったのである。則孝はこの随筆の中で、井関隆子を正親町町子と荒木田麗女と共に取り上げている。私はこの随筆に興味をもった。鹿島氏は、やがて『桜斎随筆』全60冊を送付して下さった。初めから所々読むうちに、この自筆写本を世間の人々に知らせたい、後世へ伝えたい、と言う思いに変っていった。
●まず、各巻の目録作成に取り掛かった。平成4年3月の『古書通信』752号に「桜山文庫蔵『桜斎随筆』の紹介」を出し、平成5年6月には『鹿島則孝と『桜斎随筆』』を自費出版で出した。7月には、以前から大型企画の提案を依頼されていたO社にこの企画を打診して検討してもらった。
●私の腹案では、昭和女子大学の大学院の近世専攻のH先生を中心とし、『あすか川』は歴史であるので、法政大学名誉教授の村上直先生に参加して頂く。索引編を別冊で出し、これは昭和女子大の近世の研究助手3名(S氏・T氏・O氏)を編者にする。私は全体的に参加する、こんな素案を作成し、赤羽のO社へ伺い、I社長、N専務、編集のU氏と打合せをした。先方は乗り気で、原本を数冊渡して、製版方法など検討してもらう事にした。出版が決定したら、前述の諸氏にお願いしようと思っていた。2ヶ月が経過した9月にO社のN専務とお会いして、やはり、大部過ぎる事と、鹿島則孝が知られていない事で、この企画は実行できないと断られた。
●10月10日、国語学の野沢勝夫氏と、筑波大学名誉教授の中田祝夫先生宅へお伺いして、相談に乗って頂いた。結果、神田のK書房を紹介され、ここにも野沢氏と2人で伺い、文部省の助成を申請するべく検討して頂いた。研究編とセットで検討してもらったが、研究は本文が刊行された後でなければ出来ない、それまでは助成申請できない。本文が大部過ぎて、製版代だけでも多額の資金がかかり、出版は不可能である、という結論が出た。万事休す、となる。
●平成7年、私は全冊をマイクロ複写して、ネガを保管して、希望の図書館等には、実費でポジを提供する事を考え、高橋マイクロに費用の見積りを依頼した。全冊の総目録を添付して実費で購入を募集すれば、それほど高額にもならないので、図書館で購入してくれるのではないか、と考えた。これと並行して、総目録をホームページに公開して、少しでも認知してもらうよう努めた。
●平成11年11月、画期的な事があった。菊池真一先生の紹介で、本の友社が『桜斎随筆』に興味がある事を知らされた。編集の担当者は石村健氏である。石村氏は学究肌の編集者で、大学に度々訪ねてくれて、いろいろ検討した。この随筆の資料的価値を認めて下さり、その結果、全冊を原寸複製で出すという企画を立ててられた。石村氏の計画では、原本を原寸で複製し、全18巻、6巻ずつ3回に分けて、3年間で完結するというもの。定価は36万円で、発行部数は50部である。出版界のプロの厳しい目を思い知らされた。石山氏によれば、50部でも完売は簡単ではないと言う。
●私は、リコーの複写機の最新型、IMAGIO MF2230をリースで導入し、綿密な計画を立てて原稿作成に着手した。ただ、非常に残念な事は、この第1回配本が出る前に、石村氏が退社されてしまわれた事である。氏は別に出版社を立ち上げた。
●第1回配本を前にして、私は生まれて初めて、この本の購入を知人の研究者に関係機関への購入を働きかけて下さるよう、依頼状を出した。35名の方々である。申し訳ないお願いであるが、この企画が頓挫しては、日本の文化史上でもマイナスであるという信念でお願いした。私の知り得た範囲では、次の図書館が購入して下さった。昭和女子大学・高崎商科短期大学・大妻女子大学・大妻女子大学多摩キャンパス・和光大学・駒沢大学・別府大学・天理図書館・早稲田大学(2)・京都精華大学・法政大学・国文学研究資料館・目白大学・東大史料編纂所・和洋女子大学・成田図書館・京都府立総合資料館・大阪府立図書館・都立中央図書館・京都大学図書館・東北大学図書館・筑波大学図書館・三重県立図書館・伊勢市立図書館・茨城県立図書館・茨城県立歴史館・千葉県立中央図書館・鹿島神宮・日本大学図書館。まだまだ未確認の故に見落としもあるかと思う。しかし、研究者の立場からすれば、これだけの図書館で所蔵していて下さるだけで十分である。鹿島則孝が情熱を傾けて書き綴った記録は、決して失われる事はないだろう。つくづくと、人間の文化の尊さを思う。ご迷惑なお願いを申し上げた皆様、有難うございました。そして、本の友社の編集担当者、石村健氏・吉岡章光氏・鈴木大輔氏・西野太郎氏の御厚情に感謝する。


【48】井関隆子の研究 著
A5判、442頁、2004年11月1日、和泉書院発行、定価10000円。


口絵写真

1、『井関隆子日記』12冊全体・1(昭和女子大学図書館・桜山文庫所蔵)。
2、『井関隆子日記』12冊全体・2(昭和女子大学図書館・桜山文庫所蔵)。
3、『井関隆子日記』第1冊巻頭(昭和女子大学図書館・桜山文庫所蔵)。
4、『井関隆子日記』永代寺の陰間(昭和女子大学図書館・桜山文庫所蔵)。
5、『井関隆子日記』添付の鹿島則文の識語(昭和女子大学図書館・桜山文庫所蔵)。
6、『さくら雄が物かたり』表紙(東北大学附属図書館所蔵)
7、『さくら雄が物かたり』巻頭(東北大学附属図書館所蔵)
8、『さくら雄が物かたり』巻末(東北大学附属図書館所蔵)
9、『神代のいましめ』巻頭(『翠園叢書』二十六、昭和女子大学図書館・翠園文庫所蔵)
10、『神代のいましめ』巻末、蔵田茂樹識語・1(『翠園叢書』二十六、昭和女子大学図書館・翠園文庫所蔵)
11、『神代のいましめ』巻末、蔵田茂樹識語・2(『翠園叢書』二十六、昭和女子大学図書館・翠園文庫所蔵)
12、『井関隆子長短歌』巻頭、(『翠園叢書』二十六、昭和女子大学図書館・翠園文庫所蔵)
13、『いなみ野』巻頭(吉海直人氏所蔵)
14、『野山の夢』跋(『翠園叢書』二十八、昭和女子大学図書館・翠園文庫所蔵)
15、『宇津保物語考』巻末(隆子筆、静嘉堂文庫所蔵)
16、『恵美草』巻頭(国会図書館所蔵)
17、『恵美草』千畳敷の条(国会図書館所蔵)
18、『恵美草』巻末(国会図書館所蔵)
19、『恵美草』千畳敷の条(昭和女子大学図書館・桜山文庫所蔵)
20、『雅文』巻頭(隆子筆、吉海直人氏所蔵)
21、『雅文』巻末(「堂可子」隆子筆、吉海直人氏所蔵)
22、庄田家墓石、正面(昌清寺)
23、庄田家墓石、正面拡大(昌清寺)
24、庄田本家墓石、正面(浄念寺)
25、庄田本家墓石、正面家紋(浄念寺)
26、井関家墓石、向って左面(喜運寺)
27、井関家墓石、向って右面(喜運寺)
28、昌清寺過去帳(第一冊表紙)
29、昌清寺檀家別過去帳(初代・安議)540
30、昌清寺檀家別過去帳(四代・安僚、隆子の父)412
31、昌清寺檀家別過去帳(四代・安僚妻、隆子の母)337
32、井関家過去帳(「是々」喜運寺三十世瑞雲、昭和九年一月転写、井関家所蔵)
33、井関家過去帳(天保十五年十一月一日、隆子の条)
34、庄田家系譜(隆子の条、庄田安豊氏所蔵)
35、庄田家系譜(隆子の条、拡大図、庄田安豊氏所蔵)
36、庄田家系譜(副本、表紙、庄田安豊氏所蔵)
37、庄田家系譜(副本、隆子の条、庄田安豊氏所蔵)
38、庄田家系譜(副本、隆子の条、拡大図、庄田安豊氏所蔵)

◎本文中挿絵(4枚)
39、女性の髪形(11年2月1日)
40、日月棚、貴人棚(11年9月3日)
41、将軍家より拝領の鉢植(11年10月4日)
42、浅草の見世物、眼力太夫(11年10月25日)


目  次

  研究篇

第1章 井関隆子の生涯
 第1節 前半生・四谷時代―出生から婚姻まで―
 第2節 後半生・飯田町時代―結婚から他界まで
 第3節 井関隆子とその時代
   付、庄田家・井関家 系図
   〔注〕

第2章 井関隆子の文学・機 悵羇慘柑卞記』
 第1節 書誌
 第2節 内容
 第3節 著作の動機
 第4節 批判的精神
   1、はじめに
   2、仏教批判
   3、儒教批判、国学者批判
   4、政治批判
   5、まとめ
 第5節 創作的要素
   1、『水鳥』
   2、品川心中
   3、旗本心中事件
 第6節 歴史的記述
   1、人災・天災
   2、三方所替
   3、日光社参
   4、徳川家主要人物の没日
 第7節 風俗描写
   1、はじめに
   2、両国の花火・佃嶋の花火
   3、山王祭・神田祭
   4、上野の桜、流行色・服装・髪形等、浅草の
     見世物等々
   5、まとめ
 第8節 自然描写
   1、はじめに
   2、鹿屋園の四季
   3、草花の司、薄(尾花)
 第9節 和歌
   1、和歌の修業
   2、収録の和歌
   3、和歌に対する姿勢
 第10節 日記文学としての価値
   1、日記文学の定義
   2、『井関隆子日記』の文章
   3、『井関隆子日記』の文学的価値
    〔注〕

第3章 井関隆子の文学・供,修梁召虜酩
 第1節 『さくら雄が物かたり』
   1、書誌
   2、『さくら雄が物かたり』の内容
   3、『竹取物語』と『さくら雄が物かたり』
   4、『さくら雄が物かたり』の創作意図
   5、井関隆子の仏教批判
   6、まとめ
 第2節 『神代のいましめ』
   1、書誌
   2、『神代のいましめ』の内容と創作意図
   3、主人公・某の少将のモデル
     A、新田孝子氏の松平定信説
     B、『神代のいましめ』の成立時期
     C、老中・水野忠邦(史的事実)
     D、隆子の見た為政者――忠邦と定信――
     E、某の少将のモデルは誰か
 第3節 『いなみ野』
   1、書誌等
   2、『いなみ野』の本文
   3、『いなみ野』の内容
   4、『いなみ野』の創作意図
第4節 『井関隆子長短歌』『秋野の花』『野山の
    夢』跋
   1、『井関隆子長短歌』
   2、『秋野の花』所収歌
   3、『野山の夢』跋
 第5節 書写本
   1、桑原やよ子著『宇津保物語考』
   2、蔵田茂樹著『恵美草』
   3、吉田兼好著『徒然草』
    〔注〕

第4章 井関隆子の人間像
   1、出生と家庭環境
   2、的確な人間認識と歴史意識
   3、天性の批評者
   4、持続する批評精神
   5、豊かな学殖と合理的見識
   6、旺盛な好奇心と執筆意欲
   7、旗本夫人の気位と気品
   8、敬愛された母・祖母

  資 料 篇

1、井関隆子伝記関係資料

  1、庄田家関係
    1、庄田家系譜・正本
    2、庄田家系譜・副本
    3、昌清寺過去帳
    4、昌清寺檀家別過去帳
    5、庄田家墓石
    6、庄田家本家墓石
  2、井関家関係
    1、井関家過去帳
    2、井関家墓石
    3、井関親経短冊
  3、その他
    1、『寛政重修諸家譜』
    2、『徳川実紀』
    3、『柳営補任』

2、井関隆子関係研究文献目録
   1、著作
   2、書写本
   3、作者関係
   4、調査報告・論考・その他
   5、新刊紹介等

3、その他
  1、研究発表・講演・講義等
    ◎日本文学研究会(東京都教育会館)
    ◎東京の歴史研究会(新宿区立図書館)
    ◎東京掃苔会(芝増上寺)
    ◎女性文化研究所(昭和女子大学)
    ◎千葉市民文化大学(千葉市)
    ◎昭和女子大学(講義・講読・演習、短大・
     大学院)
  2、平成十一年度大学入試センター試験問題

  あとがき
  索引(人名・地名・書名・主要事項)(左開)

●平成14年、3年間続いた『桜斎随筆』も完結したので、ほぼ研究も終っている『井関隆子の研究』をまとめて出す計画を立てた。私は単行本にする場合、既に雑誌等に発表したものは、参考にする程度で、書下ろしを原則としている。初めから書き出していたところ、菊池真一先生から連絡があり、和泉書院で私のものを何か出して下さる意向であると知らされた。『井関隆子日記』は勉誠社で出して頂いたので、この『研究』も本来なら勉誠社にお願いすべきである。しかし、私達の研究書などは、売れる訳でもないので、必ずしも喜んで引き受けてくれるとも限らない。そこで、勉誠社の池嶋洋次氏の御了承を頂いて、和泉書院にお願いする事にした訳である。
●平成15年7月、原稿の見通しがついたので、菊池先生と共に和泉書院へ伺って、出版をお願いした。原稿を渡す時、完全原稿に近いという自信がありますので、初校で済むと思います、と申し上げ、出版社からは、有難う御座います、とお礼を言われた。しかし、いざ、進行してみると、再校でも赤字は無くならなかった。一気に書き上げたので、不統一は無いと思ったが、まるで逆であった。和泉書院の編集部に何回お詫びしたか知れない。やはり、トシか。
●平成16年11月1日、本書は発行された。私は全く気付いていなかったが、和泉書院では、井関隆子の没日、天保15年11月1日に合わせて発行して下さった。何と感謝すればよいか。
●前年の8月、息子と2人で、ドイツ、スイス、フランスの旅に出かけた。ライン川下り、ノイシュバンシュタイン城、ルーブル美術館、ロダン美術館などを見て回ったが、このツアーの中に染色会社の社長さんがいて、仲良しになり、手拭を作る事を思いついた。相談すると、作ってくれると言う。そこで、『井関隆子日記』の冒頭部分と、庄田家と井関家の家紋と、井関家の過去帳の隆子の条と、鹿島則文の「櫻山文庫」の丸印と、ついでに「文章千古事」の方形印を影印で3色で染めてもらった手拭を作り、本に添える事にした。勿論、贈呈本のみである。こんなモノズキな事をするヒトはいないだろう。一見の後、布巾にして下さい、という意味である。


【49】仮名草子研究文献目録  共編
A5判、300頁、2004年12月15日、和泉書院発行、定価3800円。菊池真一氏と共編。

目 次
第1部 仮名草子作品
第2部 仮名草子関係研究書(目次併載)
第3部 仮名草子関係論文等(雑誌・紀要・その他)
人名索引
書名索引

●私は学部の卒論の時、仮名草子関係の先行研究の文献調査に、かなりの時間を消費し、これは非生産的だと痛感し、仮名草子研究文献目録の作成を思い立った。最初のものは『近世初期文芸』第3号(昭和48年)に出した。この時は、小川武彦氏に協力してもらった。以後、同誌の第4号、第6号で増補し、その後、菊池真一氏編の『恨の介・薄雪物語』(1994年4月30日、和泉書院発行)に掲載して頂いた。それと前後して、菊池氏の協力を得て、ホームページ「近世初期文芸研究会」の中に「仮名草子研究文献目録」の項を設けて、逐次追加している。これは現在も実行中である。このような経過の中で、菊池氏と協力して、明治初年から平成14年(2002年)の文献を収録したものである。


【50】仮名草子研究叢書 第1巻  共編
A5判、426頁、2006年2月25日、クレス出版発行、全8巻セット定価85000円。菊池真一氏と共編。

第1巻 雑誌論文集成(一) 目次

高野 斑山 徳川初世の名所記                     
三浦 周行 後光明天皇の御好学と朝山意林庵  
此花社同人 江戸出版の仮名草紙
水谷 不倒 仮名草子の挿絵と雛屋立圃
林若樹ほか 輪講 東海道名所記
島津 久基 御伽・仮名・舞の草子
山本 秀煌 切支丹文学の一班
石田 元季 初期の仮名草紙作者殊に如儡子に就きて
林若樹ほか 輪講 あづまものがたり
田中 喜作 師宣の初期絵入本に就て
新 村 出 伊曽保漫筆
新 村  出 影模蘭文古版絵入伊曽保物語の断簡
久保 天隨 翦燈新話に就いて
潁原 退蔵 近世文学選釈 一 恨の介
田中 浩造 伽婢子の翻案態度
潁原 退蔵 近世文学選釈 二 尤の双紙
北条 秀雄 浅井了意の生涯
森  銑 三 可笑記の著者如儡子は何人か
潁原 退蔵 近世文学選釈 三 東海道名所記
潁原 退蔵 仮名草子の発生に関する一考察
潁原 退蔵 近世文学選釈 四 可笑記
北条 秀雄 浅井了意の自筆願書
潁原 退蔵 近世文学選釈 五 元の木阿弥物語
城戸甚次郎 緑蔭比事
潁原 退蔵 近世文学選釈 六 たきつけ草・もえく
      ひ・けしずみ 
天野佐一郎 石平道人の墓
木村 捨三 複製木版の工作過程に就て─特に岡田希
      雄さんに呈す─
大越 長吉 仮名草子研究序説─主として、その擬物
      語を中心とせ─
岡井 慎吾 石平道人鈴木正三が神として祀られて居
      る
佐藤 鶴吉 近世文学の註釈に就いて
潁原 退蔵 近世文芸の註釈的作業
野村 八良 尤の草子


【51】仮名草子研究叢書 第2巻  共編
A5判、454頁、2006年2月25日、クレス出版発行、全8巻セット定価85000円。菊池真一氏と共編

                                    
第2巻 雑誌論文集成(二) 目次
                      
宇佐美喜三八 伽婢子に於ける翻案について
重 友  毅 近世小説研究史略
頼 桃三郎 『難波鉦』の地位
朝田祥次郎 仁勢物語成立に就いての私見
安部 亮一 「可笑記」覚書
岡本新太郎 「醒睡笑」と裁判物
長沢規矩也 「怪談全書」の著者について
熊 谷  孝 仮名草紙小論
市古 貞次 艶書小説の考察
後藤 丹治 お伽草子と後代文学
杉浦正一郎 「犬枕」に就いて
斎藤 護一 江戸時代に於ける支那小説翻案の態度
潁原 退蔵 近世怪異小説の一源流
長沢規矩也 「怪談全書」著者続考
片岡 良一 仮名草子の輪郭
野田 寿雄 浮世物語の意義
暉峻 康隆 仮名草子の文芸性
鶴 見 誠 名所記概説─名所観に及んで─
波多郁太郎 醒睡笑の研究
岡田 希雄 東海道名所記について─製作年時および
      京童との関係など─
市古 貞次 「仮名草子」の意味
野田 寿雄 仮名草子の世界
市古 貞次 仮名草子の恋愛と死
中村 幸彦 安楽庵策伝とその周囲
麻生 磯次 近世小説
暉峻 康隆 近世小説様式論
朝倉 治彦 読後所見 策伝宛光広の書簡
水田 紀久 可笑記の著者について
松 田  修 日州漂泊野人の生涯
関山 和夫 御咄の衆の事
鵜 月  洋 近世における小説論 ─展望と評論─
松 田 修 変  身
小 野 晋 近世初期評判記略年表
関山 和夫 木下長嘯子と安楽庵
寺 谷  隆 仮名草紙に於ける庶民教化の一断面
横 山 重 活字本、絵入本、色彩の本
市古 貞次 近世初期小説の一性格
中村 幸彦 仮名草子の説話性

雑誌論文集成 解説 菊池真一


【52】仮名草子研究叢書 第3巻  共編
A5判、604頁、2006年2月25日、クレス出版発行、全8巻セット定価85000円。菊池真一氏と共編

                                    
第3巻 単行本記述集成(一)  目次

水谷不倒・坪内逍遥 『近世 列伝躰小説史』上巻 
     第一章 徳川文学の起源
     第二章 仮名草子
坂本 健一 『近世俗文学史』
     第一 総 叙
     第二 前 期
藤岡作太郎 『近代小説史』
     総 論 江戸時代の風尚と時代の分割
     第一編 仮名草紙の時代
津田左右吉 『文学に現はれたる我が国民思想の研
      究』
     第二巻 武士文学の時代 第三篇 武士文
      学の後期
          
     第三巻 平民文学の時代 上 第一篇 平
      民文学の隆盛時代


【53】仮名草子研究叢書 第4巻  共編
A5判、624頁、2006年2月25日、クレス出版発行、全8巻セット定価85000円。菊池真一氏と共編

                                    
第4巻 単行本記述集成(二) 目次

藤井 乙男 『江戸文学研究』
     江戸文学概観、江戸初期の三教一致物語、
     仮名草紙の作者、鈴木正三、禅僧と小説、
     藻屑物語と男色義理物語、支那小説の翻訳、
     松永貞徳の父祖について、むもれ木、歌舞
     妓草子
藤岡作太郎 『国文学史講話』江戸時代
藤 村 作 『上方文学と江戸文学』武士生活と町人
     生活
高須芳次郎 『日本近世文学十二講』
     第二講 文芸復興期前の文学
鈴木 敏也 『改訂 近世日本小説史 
          啓蒙から歓楽への文芸』
     序論 近世小説の背景、第一編 仮名草子
     の時代
水谷 不倒 仮名草子研究


【54】仮名草子研究叢書 第5巻  共編
A5判、614頁、2006年2月25日、クレス出版発行、全8巻セット定価85000円。菊池真一氏と共編

第5巻 単行本記述集成(三) 目次

石 川  巖 元禄以前の花街文学
山 口 剛 『怪談名作集』解説                                     
石田 元季 『江戸時代文学考説』
山 口 剛 怪異小説研究
新 村 出 南蛮文学概観
笹川 種郎 『仮名草子集』解題
高野 辰之 『江戸文学史』部分
水谷 不倒 『新撰 列伝体小説史 前編』部分 
山 崎 麓 『日本小説書目年表』


【55】仮名草子研究叢書 第6巻  共編
A5判、522頁、2006年2月25日、クレス出版発行、全8巻セット定価85000円。菊池真一氏と共編

第6巻 単行本記述集成(四) 目次

笹川 種郎 『近世文芸史』上方の小説                                      
藤井 乙男 『江戸文学叢説』浅井了意、お茶物語
鈴木 暢幸 『江戸時代小説史』
     第一編 江戸時代小説の特質
     第二編 各種小説の概観
     第三編 京阪中心期の小説
長沢規矩也 『江戸地誌解説稿』
潁原 退蔵 仮名草子
鈴木 行三 『戯曲小説 近世作家大観』第一巻
潁原 退蔵 『日本文学書目解説(五)
       上方・江戸時代』
山 口 剛 怪異小説研究
藤井 乙男 仮名草子の研究
宮川 曼魚 咄本の研究
次 田  潤 『国文学史新講』仮名草子
潁原 退蔵 仮名草子の三教一致的思想について


【56】仮名草子研究叢書 第7巻  共編
A5判、496頁、2006年2月25日、クレス出版発行、全8巻セット定価85000円。菊池真一氏と共編
                                    
第7巻 単行本記述集成(五) 目次

近藤 忠義 『近世小説』
暉峻 康隆 『江戸文学辞典』
     凡例、江戸小説概観、仮名草子 
片岡 良一 『近世前期の文学』
暉峻 康隆 『文学の系譜』仮名草子の文芸性
潁原 退蔵 『江戸文芸』


【57】仮名草子研究叢書 第8巻  共編
A5判、518頁、2006年2月25日、クレス出版発行、全8巻セット定価85000円。菊池真一氏と共編
                                    
第8巻 単行本記述集成(六) 目次

守随 憲治 仮名草子と生活文化
深沢 正憲 烏丸光広伝 附作品解説
井浦 芳信 古活字本「竹斎」の研究
      ─仮名草子における流動性
深沢 正憲 目覚し草(翻刻)解説
宮尾 重男 『近世笑話文学』天和年間〜元和年間
暉峻 康隆 『日本の書翰体小説』
第三章 書翰体小説の源流
第四章 形式的完成
重 友  毅 『近世文学の位相』
     第一篇 近世文学の概観
     第三篇 方法論上の諸問題
麻生 磯次 『江戸文学と支那文学』総説
     前篇 第一章 怪異小説に於ける影響             
次 田  潤 『日本文学通史』仮名草子と浮世草子
藤井 乙男 『近世小説研究』
一、 江戸時代の小説概観
二、 元禄時代の京都小説家
三、 浅井了意

単行本 解説 深沢秋男

●仮名草子の先学の研究の主要な文献を複製して収録したものである。発行に当たって出版社の宣伝パンフレットの内容は次の通り。これは私が執筆し、菊池氏がチェックしたもの。

 近世初期の約八十年間に書かれ、多くは出版された散文文芸の総称が仮名草子である。「仮名草子」の命名者は水谷不倒(弓彦)である。水谷は、東京専門学校(早稲田大学の前身)での講義録を著し、続いて、『近世 列伝躰小説史』を出版、さらに『新撰 列伝体小説史 前編』を出して、この中で仮名草子について論じた。近代的な研究も水谷不倒によって拓かれた、と言ってもよいだろう。
 もちろん、水谷不倒のみが、仮名草子の研究を進めてきた訳ではない。昭和二十年代以前に限ってみても、朝倉治彦・麻生磯次・石田元季・市古貞次・井浦芳信・潁原退蔵・片岡良一・近藤忠義・重友毅・新村出・鈴木行三・鈴木敏也・鈴木暢幸・関山和夫・高野辰之・暉峻康隆・長澤規矩也・中村幸彦・野田寿雄・深沢正憲・藤井乙男・藤岡作太郎・藤村作・北条秀雄・松田修・山口剛・山崎麓等々、多くの先学の努力が積み重ねられてきた。その研究論文・研究書と作品名の全貌は、『仮名草子研究文献目録』(深沢・菊池編、二〇〇四年、和泉書院)によって知る事ができる。
 仮名草子作品の数も、昭和三十年頃までは二百点足らずであったが、その後の研究によって、現在は三百点以上になっている。このようにみる時、仮名草子研究は活発に行われてきたように思われるが、明治以後昭和二十年、つまり、近代的な研究が始まってから、第二次世界大戦終結までの約四十年間に書かれた論文は一二〇点余に過ぎない。年間平均三論文という状況であった。
 戦後の研究は、昭和二十二年の野田寿雄の「仮名草子の世界」(『国語と国文学』7月)から始まるが、二十二年から三十五年までの十四年間に七十四論文という低迷が続いた。ところが、三十五年から七年にかけて、野田寿雄の日本古典全書『仮名草子集(上下)』が刊行されて、研究は活発化してきた。
 『仮名草子研究叢書』は、雑誌論文は、昭和二十九年以前のものを全二巻に収録し、単行本は昭和二十年以前のものを全六巻に収録したものである。
 近年の仮名草子研究は、細分化され、緻密な論文が多い。しかし、明治以降の先学の遺された研究が全く通用しなくなった訳ではない。むしろ、このように細分化され、微視的な傾向にある現在にこそ、明治以来の研究を振り返り、巨視的な観点から、仮名草子を見直し、先人の研究を吸収して、新たな研究の
出発点にすべきではないかと考える。本叢書を刊行する所以である。

●平成16年12月、朝倉治彦先生から、この叢書の編纂を依頼され、私もかねがね、必要な事だと考えていたのでお引き受けした。ただ、実際に作業に入ってみると、かなりの労力を要する事がわかった。そこで、菊池真一氏の協力を頂く事にして実現したものである。収録内容に関しては、様々な制約があり、希望通りにゆかなかった部分も少なくない。それらの諸点については、今後の若い研究者に任せる事にして、一応出版することにした。
●この叢書に収録した先学の論文や単行本を、改めて目を通すと、私達は偉大な研究者の学恩を頂いて、ここまできたが、果たして、どこまで吸収消化できたのであろうかと、感謝と共に反省の念が強い。私個人としては、近藤忠義・重友毅・長澤規矩也・小田切秀雄の諸先生には法政大学で教えて頂いた。横山重・野田寿雄・朝倉治彦の諸先生には、仮名草子に関して多大の御指導を賜った。中村幸彦先生には九州大学で、野間光辰先生には京都大学で、井浦芳信先生には昭和女子大学で、諸本調査などの折に、それぞれお導きを頂いた。若い頃には暉峻康隆先生にも教えて頂いた。水谷不倒・山口剛・北条秀雄・麻生磯次・石田元季・市古貞次・潁原退蔵・片岡良一・新村出・鈴木行三・鈴木敏也・鈴木暢幸・関山和夫・高野辰之・深沢正憲・藤井乙男・藤岡作太郎・藤村作・山崎麓等々、論文や著書を通して多くを学ばせて頂いた。この叢書を編纂することで、仮名草子研究を振り返る事ができて感謝している。


【58】仮名草子集成 第39巻  共編
A5判、320頁、2006年3月15日、東京堂出版発行、定価17500円+税。菊池真一氏・和田恭幸氏と共編。

目 次
 例言
 凡例
仮名草子集成 第三十九巻
 若輩抄(写本、1冊)
  解題
 聚楽物語(寛永17年5月板、3巻3冊)  
   巻上
   巻中
   巻下
  解題              
 死霊解脱物語聞書(元禄3年11月板、2巻2冊)     
   上
   下
  解題              
 (影印)
 女訓抄(古活字版、寛永14年3月刊、中巻欠、
     上下2冊存)
  解題
書林の目録に見る了意の作品(5)(朝倉治彦執筆)
正誤・追加(朝倉治彦執筆)
写真

●『仮名草子集成』は朝倉治彦先生の始められたもので、仮名草子作品を網羅的に集成しようという大きな計画である。第1巻は昭和55年5月12日発行、初めのうちは文部省の出版助成を受けていたが、途中から軌道に乗って、いわゆる普通の出版形態になった。朝倉先生は、第38巻まで継続刊行してこられたが、第39巻から、新体制で継承することになった。
●朝倉先生より、本集成の継続を依頼されて、突然の事であったが、今後、10年は続けなければならない点を考え、朝倉先生と相談しながら、新体制を立ち上げた。菊池真一氏・花田富二夫氏と私の3名を編集責任者として、若い仮名草子研究者に協力してもらう事にした。この体制で、朝倉先生の計画を完結させたいと思った。


【59】仮名草子集成 第41巻  共編
A5判、238頁、2007年2月28日、東京堂出版発行、定価17500円+税。花田富二夫氏・入口敦志氏・菊池真一氏・中島次郎氏と共編。

目 次
 例言
 凡例
仮名草子集成 第三十九巻
 新語園(天和2年2月板、10巻10冊)(承前)
   巻之六
   巻之七
   巻之八
   巻之九
   巻之十
  解題
 十二関(写本、1冊)  
  解題              
 衆道物語(寛文元年板、2巻2冊、絵入)     
   衆道物語上
   衆道物語下
  解題              
 親鸞上人記(延宝板、2巻1冊)
   巻之上
   巻之下
  解題
写真





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