養育費の差し押さえで必要な弁護士費用の相場は?その内訳と払えない場合の解決策を徹底解説!

養育費の差し押さえとなれば、裁判所への申し立てが必要になります。

となれば、弁護士の尽力なくして差し押さえはできませんよね。

そこで気がかりなのが弁護士費用です。

弁護士を雇うとなれば、まとまったお金が必要になるのは周知のことですから、その費用が気になるのは当然のことでしょう。

この弁護士費用が気になって、差し押さえを躊躇している人は多いのではないでしょうか。

今回は養育費の差し押さえで必要な弁護士費用の相場はいくらなのか、払えない場合はどうすればいいのかを徹底解説していきます。

弁護士費用が気になる、家計が苦しくて弁護士費用が払えないという人は、ぜひ一読して参考にしてください。

まずは養育費の差し押さえに必要な弁護士費用の把握が重要!

弁護士費用を云々言う前に、まずは、実際にどれくらいの費用が掛かるのかを把握しておく必要があります。

これが分からないでは、払えるも払えないも、判断の仕様がないからです。

弁護士費用は大きく分けると、下記の2つに分類されます。

  • 弁護士報酬
  • 実費

巷で言われるところの弁護士費用は、この2つが合算された金額というわけです。

弁護士費用が高かったと感じても、実費を差し引いてみると、妥当な金額だったということもあるのです。

また、弁護士費用は依頼案件によって、請求内訳も違ってきます。

請求内訳が多いほど、弁護士費用も高くなるというわけです。

それでは早速、弁護士報酬と実費の内訳・相場を、順を追って見ていくことにしましょう。

実際にどれくらいの費用が掛かるのかを、よく理解するようにしてください。

養育費の差し押さえに必要な弁護士費用の内訳

まずは下記の2つに分けて、弁護士費用の内訳と請求理由を確認していきます。

  • 弁護士報酬
  • 実費

なぜ弁護士報酬として請求される内訳を理解しておけば、弁護士への依頼交渉もスムーズに済ませられます。

難しい話ではないので、よく理解するようにしてください。

養育費の差し押さえで必要になる弁護士報酬の内訳と請求理由

基本的な弁護士報酬の請求内訳には、下記のものが挙げられます。

請求内訳

養育費の差し押さえで必要になるもの

相談料

書面による鑑定料

×

着手金

事務手数料

報酬金

顧問料

×

日当

〇の付いているものが、養育費の差し押さえで請求される弁護士報酬になります。

なぜこれら弁護士費用が発生するのかは、下記の請求理由を見てもらえば理解してもらえるでしょう。

請求内訳

請求理由

相談料

依頼者に対する法律相談の対価(*電話相談も含む)

着手金

事案処理を引き受ける際に発生する料金で、業務処理対価の一部。依頼が不成功に終わっても返還されません。

事務手数料

原則、1回程度の手続きや委任事務処理で終了する案件に対して発生する委任事務処理料金。書類作成や登記、登録などの作業も含む。

報酬金

事件処理結果に応じて発生する委任事務処理料金。裁判で言ったら全面敗訴の様に、まったく不成功の場合は支払う必要がない。

日当

弁護士が事務所を離れて委任事務処理をする際に発生する料金

養育費の差し押さえで必要になる実費の内訳

実費として発生するものとしては、主に下記のものが挙げられます。

  • 収入印紙代
  • 郵便切手代
  • 謄写代
  • 交通費
  • 宿泊費
  • 予納金(執行業者費用)

養育費の差し押さえ申し立て時に発生する主な実費は、裁判所に納める裁判所費用です。

裁判所費用として発生するのは下記の3つです。

必要実費

使途

収入印紙代

裁判所への申立手数料

郵便切手代

陳述催告に掛かる手数料

予納金

差し押さえ時の執行業者に掛かる、人件費や業者手配の事務手続手数料

予納金は執行業者が必要ない差し押さえでは発生しません。

大抵の場合は必要ないと考えていいでしょう。

しかし、不動産を差し押さえる場合は話が別です。

 

不動産鑑定人による評価が必要になるため、必ず必要になります。

また、申し立てる裁判所は、差し押さえ対象者の現住所を管轄する家庭裁判所です。

そのため、場所によっては裁判所への申し立て時に交通費だけでなく、宿泊費が実費請求される可能性もあるでしょう。

どのような交通機関や宿泊先を利用するかは弁護士しだいです。

新幹線の乗車でグリーン席を選ぶ弁護士もいれば、普通席を選ぶ弁護士もいるでしょう。

常識的に考えればまずあり得ませんが、グリーンで移動して、一流ホテルに宿泊されたのでは、たまったものではありませんよね。

事実、交通費や宿泊費の請求額に不信感を抱く依頼者もいるようです。

 

後で嫌な思いをしないためにも下記については、弁護士へ十分な説明を求めるようにしてください。

  • 利用する交通手段
  • 利用する宿泊施設

養育費の差し押さえに必要な弁護士費用の相場

養育費の差し押さえで請求される弁護士費用の内訳を知ってもらったところで、引き続きその相場を確認していきます。

弁護士費用には、標準小売価格のような基準価格の定めがありません。

いくら請求するかは、弁護士の裁量に任されています。

弁護士費用が依頼先弁護士によって異なるのはそのためです。

しかし、請求額を決定するのに何の目安が無いわけではありません。

下記の「弁護士の報酬に関する規程」でガイドラインは用意されています。

弁護士の報酬に関する規程

まず、この規程を無視した法外な弁護士費用を請求されることはないでしょう。

一般的に、養育費の差し押さえに掛かる弁護士費用相場は、回収額の20%くらいから30%前後と言われています。

未回収額が60万円だと、12万円から18万円といった具合です。

この金額は回収する養育費の額によって前後します

請求額が大きいほど、弁護士費用も高額になるというわけです。

ですが、この相場から判断すれば、養育費の差し押さえに掛かる弁護士費用は、比較的安価だと言えるでしょう。

それでは早速、下記の2つに分けて、養育費の差し押さえで請求される弁護士費用の目安を、注意点と併せて確認していくことにしましょう。

  • 弁護士報酬
  • 実費

養育費の差し押さえで必要になる弁護士報酬の相場と注意点

養育費の差し押さえで必要になる弁護士報酬は、弁護士の裁量次第です。

よって、なるべく弁護士費用を抑えるためには、費用の安い弁護士に依頼するのが最善の策となるでしょう。

しかし、弁護士費用を見比べる余裕もなく、最初に相談した弁護士にそのまま依頼してしまう人が多いのが実情です。

ここで問題となるのが請求費用で、依頼後は契約時に交わした額面通りの費用を支払わなければなりません。

よって、弁護士を選ぶ際には、その手腕は言うまでもなく、弁護士費用が相場に準じたものかを判断できるように、弁護士費用の相場は把握しておく必要があります

それでは養育費の差し押さえで請求される、弁護士費用の相場と注意点を見ていくことにしましょう。

相談料の相場と注意点

相談料は5,000円から10,000円が相場で、下記の様に時間単位で請求されるのが一般的です。

30分ごと:5,000円

しかし、近年は初回相談無料としているところも多く、中には離婚などの特定分野に限って、回数無制限の無料相談に対応しているところも見られます。

これは弁護士による依頼者獲得のための対応でしょうが、依頼者にとっては大きなメリットです。

費用を掛けずに専門家からのアドバイスが受けらえる上、複数弁護士で無料相談を受ければ、それぞれの弁護士対応や、弁護士費用も見比べることができます

まずは養育費を差し押さえる際のアドバイスを受けるのが先決ですが、上手く利用して弁護士選定にも利用してみてはどうでしょう。

着手金の相場と注意点

着手金は依頼案件によって費用に違いが見られます。

案件によっては高額な費用となるため、この着手金は弁護士費用を左右する重要な費用内訳です

ですが、裁判や交渉事が必要なく、手続きだけの委任事務処理とりとなる養育費の差し押さえ手続きは、下記の様に比較的安価な費用で済ませられます。

未払いの養育費

着手金

300万円以下

未払い額の2

300万円超え~3,000万円以下

未払い額の1

3,000万円超え~3億円以下

未払い額の0.5

3億円超え

未払い額の0.3

未払いの養育費が300万円なら、着手金は6万円というわけです。

未払いの養育費が高額になるほど、着手金は高くなりますが、それでも訴訟や交渉が必要になる案件と比べれば、請求される比率はかなり低く抑えられています。

ですが問題なのは、この着手金は弁護士への依頼時に支払う費用です。

中には後払いを認める弁護士もいるようですが、基本的には先払いが求められます。

この点はよく覚えておくようにしてください。

事務手数料の相場と注意点

事務手数料は下記作業に対して請求される弁護士費用です。

  • 事実関係調査
  • 契約書および、これに準ずる書類作成
  • 内容郵便作成

養育費の差し押さえで請求される事務手数料は、申立書の作成に掛かる書類作成が主な費用になります。

この事務手数料の相場は下記の通りです。

未払いの養育費

事務手数料

300万円以下

10万円

300万円超え~3,000万円以下

未払い額の1

3,000万円超え~3億円以下

未払い額の0.3

3億円超え

未払い額の0.1

未払いの養育費が300万円なら、着手金は10万円というわけです。

しかし、この事務手数料は弁護士によって、かなりバラつきがあるので、一概に10万円が相場とは言い切れません。

 

5万円以下に設定しているところも見られるので、できるだけ多くの弁護士を訪ねて、費用比較することをおすすめします。

10万円と5万円とでは雲泥の差です。

資金的に余裕がない人は、手間を惜しまず問い合わせするようにしてください。

報酬金の相場と注意点

養育費の差し押さえで請求される弁護士費用で、着手金と並んで高額になるのがこの報酬金です。

しかし、着手金と同様に裁判や交渉事が必要な案件と比べれば、下記の様に比較的安価な費用で済ませることができます。

未払いの養育費

着手金

300万円以下

未払い額の4

300万円超え~3,000万円以下

未払い額の2

3,000万円超え~3億円以下

未払い額の1

3億円超え

未払い額の0.6

未払いの養育費が300万円なら、着手金は12万円というわけです。

ですが、この報酬金は高額設定している弁護士も時折見られます。

特に手付金を安く設定している場合には、この報酬金額には注意が必要です。

報酬金30%と法外な設定となっていても、契約後にはこの金額を支払わわなければなりません。

手付金なしでも報酬金が30%では、依頼人にとってはメリットどころか、おおきなデメリットを被るだけです。

着手金と報酬金は弁護士費用を左右する重要な内訳ですから、この2つの設定額は慎重に確認するようにしてください。

日当の相場と注意点

日当の相場は1時間当たりのタイムチャージ換算されることが一般的で、1時間10,000万円が相場です。

養育費の差し押さえでは、裁判所への申し立て時にこの日当が発生します。

この日当計算で注意して欲しいのは、移動時間も含まれる点です。

養育費の差し押さえの申立先は、差し押さえ対象者の現住所を管轄する簡易裁判所になります。

 

そのため、申立人と差し押さえ対象者が住んでいるところが離れているほど、移動時間が増えるので、この日当もその分、高くなってしまうのです

申し立てる裁判所が地方なのに、自分が住んでいる東京の弁護士を選んでしまうと、日当がかさんでしまい、裁判所がある地元の弁護士を選んだ方が安く済んだということにもなりかねません。

そうならないためにも、申し立てる裁判所が遠隔地にある場合は、できるだけ裁判所所在地の弁護士に依頼することをおすすめします。

また、中には日当を請求しない弁護士もいるようです。

申し立てる裁判所が遠隔地の場合は、日当無料の弁護士を選ぶのもおすすめですね。

養育費の差し押さえで必要になる実費の相場と注意点

養育費の差し押さえで請求される下記の実費は、どの弁護士に依頼したとしても変わりはありません。

  • 収入印紙代
  • 郵便切手代
  • 予納金(執行業者費用)
  • 交通費
  • 宿泊費

違いが出るとしたら、交通費と宿泊費くらいなものでしょう。

この2つの費用と注意点については、先にお話しした通りです。

そこで、ここではこの2つを除く、残り3つの実費と注意点を見ていくことにします。

収入印紙代に掛かる費用と注意点

収入印紙代は、申し立て時に発生する申立手数料として必要になる実費です。

申立手数料は下記の数が増えるごとに増額されます。

  • 債権者(申立人)
  • 債務者(差し押さえ対象者)
  • 債務名義(執行認諾文言付き公正証書など)

基本金額は4,000円です。
(*債権者・債務者が各1名、債務名義が1通の場合。)

養育費の差し押さえは、このケースが大半ですから4,000円と考えていいでしょう。

また、給与や銀行預金を差し押さえる場合は、債務者の他に第三債務者(会社や銀行)へ差し押さえ命令が出されます。

ですが、この第三債務者が増減しても、申立手数料が増減することはありません。

これも併せて覚えておきましょう。

郵便切手代に掛かる費用と注意点

郵便切手代も収入印紙代と同じく、申立手数料として必要になる実費です。

これは差し押さえに係わる当事者人数によって、手数料が異なります

当事者が債務者と債権者、第三債務者各1名の場合、必要になる郵便切手代は下記の通りです。

  • 1,145円×2組
  • 94円×1枚
  • 計2,384円

しかし、申し立て時に陳述書の催告をする場合は、申立手数料が下記の様になります。

  • 1,145円×2組
  • 404円×1組
  • 84円×2枚
  • 10円×1枚
  • 計2,872円

裁判所から差し押さえ命令が出されると第三債務者には、下記内容が記載された陳述書が送付されます。

  • 現在、差し押さえ対象者を雇用しているか
  • 差し押さえ命令後に発生する給与額
  • 現在の給与支給額
  • 差し押さえられた金額の弁済意思

この差し押さえた債権の存否確認を求める手続きを、陳述書の催告」と言います。

この申し立てをするかどうかで、郵便切手代金が違ってくるので、注意してください。

申し立てに必要な郵便切手代は、下記で確認できます。

郵便切手一覧

第三債務者が複数になる際は、こちらで郵便切手代を確認してください。

予納金(執行業者費用)に掛かる費用と注意点

先に話したように、不動産を差し押さえる場合には、執行業者費用として予納金の支払いが必要です。

原則として、掛かる費用は対象不動産5筆まで50万円と規程されています。

また、予納金は申し立て時に支払う必要があるので、この点は要注意です。

高額支払いとなるので、不動産を差し押さえる場合には、予納金の存在を忘れないようにしてください。

相手に請求できないの?養育費差し押さえに掛かる弁護士費用が払えない時の解決策!

養育費の差し押さえは、未払いの養育費に悩む人にとって、最終手段とも言える究極の養育費回収方法です。

裁判所に差し押さえを認めてさえもらえば、十中八九、未払いの養育費を回収できるでしょう。

しかし、問題となるのは弁護士費用です。

今回話してきた通り、差し押さえの申し立てに掛かる弁護士費用は、他の案件と比べれば安価ですが、だそれが申立人の負担にならないとは限りません。

弁護士費用が払えずに、申し立てを諦めるしかない人もいることでしょう。

そこで最後に、弁護士費用を払えない時の解決法について検証していきます。

弁護士費用が払えず悩んでいる人は、しっかりと目を通して、正しい解決策を身に着けるようにしてください。

弁護士費用を相手に請求することはできないの?

こう考える人は少なくないでしょう。

「差し押さえの申し立てをしなければならないのは、支払わない相手に責任があるのだから、弁護士費用を負担するのは当然の話だ。」

そう考えるのも自然な事でしょう。

しかし、日本の現行制度では、原則、裁判に負けても相手の弁護士費用を負担する義務は課せられていません

欧米では敗訴側が裁判費用を負担する制度が設けられているので、ドラマ等で感化された人も多いでしょう。

ですが、日本では同じ制度は導入されていないのが実情です。

もちろん、例外もあり、下記に該当する訴えの場合には、弁護士費用を相手側に求めることが認められています。

  • 不貞行為による損害賠償請求時
  • 労働災害で安全配慮義務違反が主張できる場合

養育費未払いという債務不履行は、不貞行為に当たりそうですが、残念ながらこの不貞行為に該当するのは下記のケースです。

「交通事故の様に契約関係にない当事者の一方が、違法な行為で相手に損害を生じさせた場合

そのため、契約関係にある相手が約束を守らない債務不履行に対する損害賠償請求で勝訴しても、弁護士費用の請求はできません

請求できて当然だという気持ちは理解できますが、弁護士費用は相手に請求できないのが実情です。

残念ではありますが、相手への請求は諦めるようにしてください。

分割払いを検討しよう!

基本的に弁護士費用は一括払いが原則です。

これも所得が低い母子家庭を悩ませる理由の1つでしょう。

しかし、今では分割払いに対応している弁護士事務所が増えてきました。

一括は無理でも、分割ならば大丈夫という人は多いのではないでしょうか。

そこで分割払いを検討する際に、ぜひとも利用してもらいたいのが法テラスの「立て替え払い制度」です。

この制度を利用すれば、法テラスが弁護士費用を立て替えてくれ、後は法テラスへ分割で返済することができます。

立て替え払い制度の利用条件

法テラスの立て替え払い制度は、下記条件を満たせば誰でも申し込みできます。

  • 収入等が一定額以下であること
  • 勝訴の見込みがないとは言えないこと
  • 民事法律扶助の趣旨に適していること

利用するには法テラスの審査通過が必要ですが、分割払いを検討するならば、是非とも利用してもらいたい制度です。

詳しい情報を知りたい人は、下記の法テラスHPを確認するようにしてください。

法テラスHP「費用を立て替えてもらいたい」

まとめ

今回は養育費を差し押さえる時に必要な弁護士費用の相場と、その費用払えない時の解決策を解説しました。

養育費の差し押さえでは弁護士の存在が必要不可欠です。

そのため、弁護士費用は絶対に無視することはできません。

今回話した内容を参考にして、まずはどれくらいの費用が掛かるのか、自分で用意できるのかを考えてみてください。

その上で、払えそうにない時は分割払いを視野に入れて、申立準備をしなければならないでしょう。

「一括では支払えない。でも分割なら・・・」という人は意外に多いと思います。

養育費は子供を育てていく上で欠かすことのできない重要な資金です。

諦めることなく、未払いの養育費回収にを成功させてください。

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