養育保証サービスは使うべき?自治体・民間保証会社の違いと申込時に知っておくべき注意点

近年、養育費の未払い問題を解決する方法として、注目されているのが養育費保証サービスです。

2020年6月にZOZO創業者の前園氏が、この養育費保証サービスの業務を運営する新会社「株式会社小さな一歩」を設立したニュースが注目されたので、知っている人も多いのではないでしょうか。

この養育費保証サービスはその名の通り、不払いとなった養育費を運営会社が保証するサービスです。

民間の保証会社によって始められたサービスですが、今では一部の地方自治体がその保証会社と提携して、養育費の立て替え制度を開始しました。

では、この養育費保証サービスは利用者にとって、本当にメリットのあるものなのでしょうか。

この疑問を解決するためにも、今回はこの養育費保証サービスについて徹底解説していきます。

併せて自治体と民間保証会社のサービス内容の違いや、申込時に知っておいてもらいたい注意点も紹介するので、サービス利用時の検討材料にしてください。

養育費保証サービスについて詳しく知ろう!

この養育費保証サービスを一口で説明すると、不払いの養育費を支払義務者に代わって立て替え払いしてもらえるサービスです。

これだけ聞けば、利用してみたいという人は多いことでしょう。

しかし、この集客文句ともとれる言葉だけを真に受けて、安易に申し込むのはおすすめできません。

そこでまずは、この養育費保証サービスが、どのようなサービスなのかを分かりやすく解説します。

しっかりと目を通して、利用するに値するサービスなのかを見極めるための、基礎知識を入手してください。

養育費保証サービスの基本的な仕組み

養育費保証サービスを知ってもらう上で、まず理解してもらいたいのがこのサービスの仕組みです。

国や自治体が提供している支援策であれば何の心配もありません。

公的機関が国民を騙すなんてことはないからです。

しかし、民間会社が運営しているとなれば話は別で、詐欺まがいの商売をしている可能性は否めません。

養育費保証サービス自体が新しい事業ですから、このサービスをよく知らない無知な消費者を騙そうとする悪徳業者がいないとは限らないからです。

どういう仕組みでこのサービスが事業として成り立っているのかを知ってもらえば、提供されるサービスが適正なのもかの判断もできます。

そうなれば、安心して申し込むことができるでしょう。

養育費保証サービスが事業として成り立つ理由は保証料!

民間会社は事業運営することで、利益を生み出すことを目的にしている営利集団です。

よって、民間会社が利益を生み出さない事業を展開することはありません。

では、この養育費保証サービス運営では、どのような利益が得られるのでしょうか。

この養育費保証サービスが生み出す収益は保証料です。

申込者は運営会社に保証料を支払って、不払い分の養育費保証を受けることになります。

この保証料設定は月額養育費と同等額が一般的ですが、これとは別に数千円の月額費用が必要な運営会社もあるようです。

民間会社の養育費保証サービスを利用する際には、保証料がいくらかを比較検討する必要があるでしょう。

不払いの養育費は支払い義務者からしっかり回収!

また、保証料を得るだけでは商売として成立しません。

不払い分の保証額は最低でも1年間分の養育費が設定されているため、保証料収益だけでは赤字経営となってしまいます。

ですが、これは支払い義務者から不払い分の養育費を回収することで、見事に問題解決しているのです。

運営会社は保証契約に基づく求償権によって、支払い義務者に不払い分の養育費を請求して回収します。

この回収によって、保証料として得た金額をまるまる収益として得ることができるというわけです。

そのため、下記のような回収困難とみなされる申込者については、申し込みを受け付けていないところも多く見られます。

  • すでに不払いが発生している
  • 差し押さえ申し立てに必要な債務名義を取得していない
  • 養育費の取り決めを離婚協議書などの書面として作成していない

保証料を割高にすることで、上記に該当する申込者を受け付けている運営会社もあるので、利用時には申込要件を確認してみましょう。

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養育費保証サービスの申し込みから受給までの流れ

次は養育費保証サービスの申し込みから、受給までの流れを簡単に紹介します。

流れが理解できれば、実際に利用する時のイメージも湧きやすいでしょう。

養育費保証サービスの申し込みから受給までの流れは下記の通りです。

  1. 運営会社にサービス利用の申し込み
  2. 運営会社による審査実施
  3. 申込者と運営会社が養育費保証契約を締結
  4. 運営会社へ保証料の支払い
  5. 運営会社による保証がスタート
  6. 養育費の不払いが発生
  7. 保証会社が養育費の不払い分を立て替え
  8. 保証会社が養育費の支払い義務者に立て替え分を督促
  9. 保証会社が養育費の支払い義務者に立て替え分を回収

運営会社によって若干流れは違ってきますが、概ねの流れは上記の通りです。

養育費保証サービスを利用するメリット

この養育費保証サービを利用するメリットは、何と言っても養育費の不払いという不測の事態を回避できることでしょう。

養育費が不払いとなり理由には様々なものがありますが、中には下記のような理由で、支払いたくても支払えない支払い義務者もいます。

  • 会社都合でリストラ対象となり無収入になった
  • 病気やケガによる入院で医療費の負担が増えた

これら不測の事態により養育費が不払いになる相当期間中、保証による養育費受け取りができるようになります。

保証料の支払いが必要ですが、リスク回避を重要視するならば、ぜひ申し込みを検討してもらいたいサービスと言えるでしょう。

養育費保証サービス利用時は自治体の助成制度を利用しよう!

民間会社の養育費保証サービスを利用するには、申込者が保証金を支払わなければなりません。

このサービス利用を検討する多くは、低所得者が多い母子世帯となるでしょうから、この保証金の負担は決して楽なものではないでしょう。

そこで利用してもらいたいのが、自治体が導入している助成制度の利用です。

この助成制度を導入している自治体は限られてはいますが、初回保証料を最大5万円まで補助してもらえます。

これは、利用しない手はありません。

現在、この助成制度を導入している主な自治体は下記の通りです。

宮城県仙台市
千葉県船橋市
東京都港区
東京都豊島区
神奈川県横須賀市
愛知県知立市
滋賀県湖南市
大阪府大阪市
兵庫県神戸市
兵庫県明石市(*市の立て替え制度利用時に限る)
福岡県福岡市
福岡県飯塚市
(*2020年10月現在)

今後、この制度を助成制度を導入する自治体が増える可能性は十分にあります。

養育費保証サービスの利用を検討する際は、確認だけは怠らないようにしてください。

養育費保証サービス申込時の注意点

養育費保証サービスは養育費の不払いという、リスクが回避できるおすすめなサービスです。

ですが、この養育費保証サービスの申し込み時には、知っておいてもらいたい注意点もあります。

自治体が保証会社と提携して養育費の立て替え制度を実施したこともあり、今後はさらに需要が大きくなる可能性が高いサービスです。

ですが、利用時には下記の3点については、よく理解しておくことをおすすめします。

  • 保証額には上限がある
  • 誰でも利用できるサービスではない
  • 保証料は年次更新ごとに支払う必要がある

それでは、早速これら3点のポイントを見ていくことにしましょう。

保証額には上限がある

まず、この養育費保証サービスを利用する上で一番理解しておいてもらいたいのは、保証金額に上限が設定されている点です。

民間会社が提供している養育費保証サービスの保証上限額は、養育費月額の1年から3年分程度でしかありません。

この養育費保証サービスを利用したからといって、養育費の不払い問題を完全に解決できるわけではないのです。

中には養育費保証サービスに申し込めば、養育費の不払い問題が解決できると勘違いする人もいることでしょう。

しかし、この養育費保証サービスは、養育費の不払いを一定期間保証するサービスです。

養育費の不払い問題を根本的に解決するには、他にその方法を模索するしかありません。

不測の事態によって、一定期間だけ養育費が不払いになった時のリスク対策と考えてもらえばいいでしょう。

養育費保証サービスは養育費の不払いを、一時的に凌ぐための対処方法です。

これは勘違いしないように、しっかりと理解しておいてください。

誰でも利用できるサービスではない

また、この養育費保証サービスを利用するには、運営会社の審査を通過する必要があります。

つまり、誰でも利用できるわけではないのです。

民間会社が提供している養育費保証サービスの申立要件は各社異なります。

申し込む際には、その運営会社の申込要件がどうなっているかを確認してください。

端から申込要件を満たしていないというケースも出てくるでしょう。

そして、この申込要件で注意して欲しいのが下記の3点です。

  • 養育費の不払いが始まっているかどうか
  • 申込者だけで契約を締結できるかどうか
  • 債権名義が必要かどうか

それではこれら3つの注意点について見ていくことにしましょう。

養育費の不払いが始まっているかどうか

申込者が下記のどちらに該当するかで、申し込みできるところは別れてきます。

  • 毎月きちんと養育費が支払われている
  • すでに養育費の不払いが始まっている

この養育費保証サービスを提供している運営会社の中には、すでに不払いが始まっている人の申し込みを受け付けていないところが多く見られます。

不払いが始まっている人は、まず、申し込みの可否を確認するようにしてください。

また、養育費の不払いが始まっている人の申し込みを受け付けているところは、保証料が割高になっています。

申し込む際には保証料がいくらかを、必ず複数社で比較検討するようにしてください。

申込者だけで契約を締結できるかどうか

次に申込要件で注意して欲しいのは、契約に関して養育費の支払い義務者の同意が必要かどうかです。

運営会社は養育費の支払い義務者の連帯保証人となり、養育費の不払い額を連帯保証人の返済義務の元、支払うという形をとっているところが少なくありません。

この場合、連帯保証人になるため、養育費の支払い義務者との保証委託契約が必要になります。

そのため、このケースでは養育費の支払い義務者の同意が必ず必要です。

相手が申し込みに同意してくれそうにない、相手に知られずに申し込みたいという人は、注意するようにしてください。

債権名義が必要かどうか

また、債権名義の提出が求められているかどうかも、必ず注意してもらいたいポイントです。

債権名義は裁判所に強制執行による差し押さえ申し立てできる権利を、公的に証明した文書を指します。

この債権名義があれば、裁判等の手続きをすることなく、直ぐに強制執行による差し押さえの申し立てができます。

債務名義の提出を求めるのは、手間なく強制執行による差し押さえで回収したいという、運営会社の意図があってのことでしょう。

主な債権名義は下記の通りです。

  • 確定判決
  • 仮執行宣言付き判決
  • 和解調書
  • 調停調書
  • 執行認諾文言付き公正証書
  • 仮執行宣言付き支払督促

名称だけ挙げられても、該当する文書がどんなものか想像つきにくいでしょう。

簡単に取得の有無を判断する方法をお教えしておきましょう。

まずは下記どちらの方法で離婚したかで判断してください。

  • 協議離婚
  • 調停離婚などの裁判所介入による離婚

離婚を裁判所の介入によって取り決めた人ならば、下記いずれかの債務名義を必ず取得できています。

  • 確定判決
  • 和解調書
  • 調停調書

協議離婚した人は、離婚協議書を執行認諾文言付き公正証書で作成していない限り、債務名義は取得できていません。

また、離婚協議書を執行認諾文言付き公正証書で作成していない人でも、養育費の支払いを求めて裁判所に申し立てして裁決が下っている場合は、下記いずれかの債務名義が取得できています。

  • 仮執行宣言付き判決
  • 仮執行宣言付き支払督促

債権名義が取得できているかどうかが分からない人は、まずはこの確認方法で判断してみるといいでしょう。

保証料は年次ごとに支払う必要がある

基本的に養育費保証サービスは年契約です。

よって、更新年度には再度保証料の支払いが必要になります。

初回のみ請求されるものではないので、更新時の保証料がいくらなのかは必ず確認してもらいたい条件です。

通常、初年度と同額が請求されることはなく、初年度の50%くらいが一般的でしょう。

また、中には保証料の支払いは初回契約時のみで、以降は毎月数千円の月額費用を請求するところも見られます。

契約期間にもよりますが、この保証料がいくらになるかで負担が異なるのは明白です。

これも各社の請求額や請求方法を、よく比較検討してみるようにしてください。

自治体が実施している養育費保証の制度内容

冒頭でも話した通り、今は地方自治体が不払いの養育費に悩む人の支援を目的に、不払いの養育費の立て替え制度を導入しています。

ですが、この自治体の立て替え制度は、民間会社が提供している養育費保証サービスと基本的には変わりません。

自治体が養育費保証サービスを提供している民間会社と業務委託して、不払いの養育費を保証するという内容です。

自治体が不払いの養育費を保障して、支払い義務者から不払いを回収することはありません。

養育費保証サービスを、自治体自らが運営しているわけではないのです。

この点は勘違いしないようにしてください。

利用する上でのメリットは、自治体が初回保証料を補助してくれる点です。

ですが、実際に契約する保証会社は自治体が業務委託したところに限定されます。

よって、利用できる人は、その保証会社が求める申込要件を満たしていることが必須条件となってくるでしょう。

自治体が導入している立て替え制度に関しては、下記記事の中の「地方自治体が独自に取り組んでいる不払い養育費の立て替え制度」で詳しく解説しています。

全国すべての自治体が導入しているわけではありませんが、今後、導入する自治体の数が増える可能性が高い制度です。

まずは、お住まいの地域の自治体で、この立て替え制度が導入されていないかを確認してください。

実際に民間会社が提供している養育費保証サービスを見てみよう!

養育費保証サービスを提供している主な会社は保証会社になります。

この民間会社が提供している養育費保証サービスの申込時に、注意して欲しいのが会社の信頼度です。

保証会社は銀行や保険会社、証券会社のように、世間一般で高い認知度を誇る会社はまず見当たりません。

おそらく聞いたことのない会社名ばかりでしょう。

よって、本当にこの会社で大丈夫なのかと、不安がよぎる人も少なくないはずです。

事実、信頼でき、事業実績が多い会社でなければ、安心して申し込むことはできません。

知らない間に倒産していたなんてことも考えられるからです。

そこで、ここでは養育費保証サービスの保証会社として、信頼度・実績共に高い評価を得ている下記会社のサービス概要を紹介します。

  • 株式会社イントラスト
  • 株式会社Casa
  • 株式会社小さな一歩

先に話しで出てきたZOZO創業者の前園氏の株式会社小さな一歩も、今後の期待の意を込めて紹介するので、各社サービスの違いを見比べてください。

株式会社イントラスト

株式会社イントラストは東京都千代田区に本社を構える総合保証サービス会社です。

創業は2006年3月と15年ほどの会社ですが、保証会社の中では有名どころの1つですから、安心して利用することができるでしょう。

それでは早速、養育費保証サービスの内容を見ていくことにします。

サービスプラン

株式会社イントラストのサービスプランは下記の3つがあります。

  • チャイルドサポート30
  • チャイルドサポート50
  • チャイルドサポート50+one

下記の様に申込者条件によって、選べるプランが分類されています。

プラン名

対象条件

チャイルドサポート30

養育費の支払い義務者と業務委託契約が結べる

チャイルドサポート50

養育費の支払い義務者と業務委託契約が結べない

チャイルドサポート50+one

すでに養育費の不払いが始まっている

株式会社イントラストの最大のメリットは、申込要件が柔軟な点でしょう。

先に話したように、申込時にまず確認しなければならないのが申込要件です。

この申立要件がクリアできず、申し込みできない人も少なくありません。

株式会社イントラストならば、他よりも申込要件で申込不可となる可能性は低いでしょう。

ですが、下記のように養育費を取り決めで交わした書類提出は必須です。

プラン名

取り決め書類

チャイルドサポート30

債務名義のコピー(ない場合は子下記いずれかのコピー)

子供との関係が分かる書類(保険証、戸籍謄本など)

支払い義務者の存在が分かる書類(戸籍の附票など)

チャイルドサポート50

債務名義のコピー(ない場合は子下記いずれかのコピー)

子供との関係が分かる書類(保険証、戸籍謄本など)

支払い義務者の存在が分かる書類(戸籍の附票など)

チャイルドサポート50+one

債務名義のコピーの限る

株式会社イントラストの養育費保証サービスに申し込みできるか、できるならどのプランになるかは、下記チャートを利用すれば簡単に確認できます。

利用検討時には、利用してみるといいでしょう。

料金体系

また、これも先に話したように、申込要件が緩くなるほど保証料は割高になります

株式会社イントラストの養育費保証サービスも、下記の様に利用するサポートプランによって保証料に違いが見られます。

プラン名

保証料

チャイルドサポート30

月額養育費の100%分

チャイルドサポート50

月額養育費の100%分

チャイルドサポート50+one

月額養育費の150%分

また、更新時の保証料は下記の通りです。

プラン名

保証料

チャイルドサポート30

月額養育費の30%分

チャイルドサポート50

月額養育費の50%分

チャイルドサポート50+one

月額養育費の50%分

この保証料負担で、月額養育費12ヶ月分の保証が受けられます。

保証料もさることながら、この保証額の上限も併せて、総合的に検討するようにしてください。

必要書類

養育費の取り決め書類の他にも、下記の書類提出が求められます。

プラン名

必要書類

チャイルドサポート30

申込者の本人確認書類のコピー

支払い義務者の本人確認書類のコピー

支払い義務者の収入証明書のコピー

チャイルドサポート50

申込者の本人確認書類のコピー

チャイルドサポート50+one

申込者の本人確認書類のコピー

支払い義務者の存在確認ができる書類のコピー

さらに詳しい情報が知りたい人は、下記の株式会社イントラストHPで確認してください。

株式会社イントラストHP

株式会社Casa

株式会社Casaは東京都新宿区に本社を構え、主に家賃債務保証事業を手広く展開している保証会社です。

創業は2008年10月と10年ほどですが、国34自治体の公営住宅の家賃保証を請負っていることからも、信頼度の高さがうかがえます。

それでは気になる養育費保証サービスの内容を見ていくことにしましょう。

サービスプラン

株式会社Casaのサービスプランは下記の2つです。

  • こども未来:保証額の上限が月額養育費の24ヶ月分
  • こども未来36:保証額の上限が月額養育費の36ヶ月分

サービスプランによって保証額の上限が異なります。

ですが、任意でサービスプランを選べるわけではありません。

下記の様に債務名義を取得しているかどうかで、選べるプランが分類されます。

プラン名

対象条件

こども未来

債務名義を取得していない

こども未来36

債務名義を取得している

この養育費保証サービスのおすすめポイントは、保証額の上限が高く設定されている点です。

先に紹介した株式会社イントラストが最大12ヶ月分ですから、これは見逃せないメリットになります。

できるだけ長く保証を受けたいのであれば、株式会社Casaはおすすめの保証会社の1つとなるでしょう。

料金体系

株式会社Casaの場合、どちらのサービスプランを利用しても保証額は変わりません。

しかし、下記の様に保証料は「初期費用」「月額費用」の2つに分けられているため、契約期間中はずっと保証料を支払うことになります。

費用名

保証料

初期費用

月額養育費の100%分

月額費用

1,000

これだけ見ると割高感を感じるでしょうが、実はこの株式会社Casaは大きな負担となる初期費用が再度請求されることはありません

最初に初期費用を支払った後は、月額1,000円で契約を継続できます。

年度更新という概念がないサービスなのです。

月額養育費を50,000円とし、年度更新に照らし合わせて保証料を試算してましょう。

初年度保証料:50,000円+1,000×12ヶ月=62,000円
更年度保証料:1,000×12ヶ月=12,000円

月額養育費が高額な人ほど、2年目以降の保証料を低く抑えることが可能です。

長期契約を前提にするのであれば、高額な月額養育費を受け取っている人には、見逃せないメリットになってくるでしょう。

必要書類

株式会社Casaの養育費保証サービス申込で提出が求められる必要書類は下記の2つです。

  • 養育費の取り決めに関する書類のコピー
  • 申込者の本人確認書類のコピー

先の株式会社イントラストよりも提出書類が少ないのは嬉しいところですが、注意してもらいたいのは、養育費の取り決めに関する書類のコピー提出が必須になっている点です。

しかも、養育費の取り決めに関する書類は、下記の様に指定されています。

債権名義の有無

書類名

債権名義

公正証書

調停調書

審判書

債権名義がない場合

協議離婚書または合意書

つまり、養育費の取り決めを書面として作成していない人は、このサービスに申し込むことはできないのです。

ただし、債権名義に関しては上記に記載したもの以外にも複数あります。

これ以外の債権名義を取得している人は、提出が可能かどうかを確認するようにしてください。

以上の様に株式会社Casaの養育費保証サービスは、下記の2点がおすすめポイントです。

  • 保証額の上限が高い
  • 保証料を低く抑えられる可能性がある

ですが、先の株式会社イントラストのように申込要件が広く設定されておらず、養育費の取り決めを書面作成している人しか申し込めません。

この点には注意が必要です。

詳しい情報は下記の株式会社CasaHPで確認してください。

株式会社CasaHP

株式会社小さな一歩

それでは今後の展開が期待されている前園氏が運営する、株式会社小さな一歩の養育費保証サービスをの概要を見ていくことにしましょう。

株式会社小さな一歩の一番大きな特徴は、養育費の受け取り支援に注力している点です。

そのため、養育費の不払い時のリスク対策というよりも、安心して適正な養育費が受け取れ取りたい人向けのサービスとなるでしょう。

サ―ビス名称である「養育費あんしん受取りサービス」からも、事業目的がうかがえますね。

「養育費あんしん受取りサービス」はどちらかと言えば、下記のような養育費問題を抱えている人向けのサービスです。

  • 養育費の受け取っていない
  • 養育費を受け取っているが支払いが安定しない
  • 養育費を受け取っているが適正金額でない(額面が少ない)

これら問題を株式会社小さな一歩の担当弁護士が窓口となり、養育費の支払い義務者と交渉をし、安心して養育費を受け取れるようにしてくれます。

これが従来の養育費保証サービスとは一線を画す、一番の特徴と言えるでしょう。

もちろん、養育費の不払いに備えて申し込むのもアリですが、他の保証会社では審査通過できない人にこそ、申し込んでもらいたい養育費保証サービスと言えるでしょう。

サービスプラン

養育費あんしん受取りサービスのサービスプランは下記の2つです。

  • 毎月ごと受取り
  • 一年分の一括受取り

まとめて1年分の養育費を受け取れる点は斬新です。

審査結果によっては利用できないケースもありますが、これも養育費あんしん受取りサービスの特徴の1つでしょう。

ですが、どちらのサービスプランを選ぶかによって、下記の様に保証料が異なります。

サービス名

保証料

毎月ごと受取り

月額養育費の15%を毎月払い

一年分の一括受取り

1年分の養育費総額の25%を一括払い

月額養育費が5万円なら、年間保証料は下記の通りです。

  • 毎月ごと受取り:50,000×15%×12ヶ月=90,000円
  • 一年分の一括受取り:50,000×12ヶ月×25%=150,000円

まとめて1年分を一括で受け取れるのは魅力ですが、その分、保証料は確実に割高になります。

申込時にはこの点を踏まえて、どちらのサービスプランを利用した方がいいかを、慎重に検討するようにしてください。

養育費の取り決めがない人も完全サポート!

サービス申込時には養育費の取り決めを、書面作成しているかどうかで手続きが違ってきます。

この書類は先にも紹介した債務名義、もしくは当事者間で作成した書面です。

これらいずれかの書面があれば、申込後3日から7日営業日くらいで契約が完了します。

しかし、ない場合は契約完了に約1ヶ月程度の時間が必要になるでしょう。

これは、養育費の支払い義務者との合意の上で、「養育費お支払いプラン」を作成する必要があるからです。

これは担当弁護士が相手と直接交渉し、法的書面として作成してくれます。

申込者が相手と直接連絡を取る必要はありません。

ですが、ここで注意して欲しいのは、相手がこの法的書面作成に合意してくれなければ、契約が完了しないという点です。

契約が成立しない間は弁護士への相談料や持ち出し費用は一切かかりませんが、この点はよく理解しておくようにしてください。

詳しい情報は下記の株式会社小さな一歩HPで確認できます。

株式会社小さな一歩HP

このサービス内容に興味を持った人は、一度覗いてみるといいでしょう。

養育費保証サービスは弁護士法に抵触する非弁行為に当たる可能性が!

養育費保証サービスへの関心が高まる中、2020年7月17日に日本弁護士連合会から、各弁護士会長に対し「いわゆる「養育費保証サービス」に関する注意喚起について(情報提供)」と題した注意喚起の文書が通達されました。

養育費保証サービスが法的問題点を抱える可能性があるため、提供業者から協力を求められた場合は慎重に対応するようにという内容です。

指摘されている法的問題とは、下記2つの弁護士法に抵触する可能性になります。

  • 弁護士法73条
  • 弁護士法72条

これはあくまで可能性があるというだけで、必ずしも抵触しているというわけではありません。

ですが、保証会社が法的検討が不十分なまま、養育費保証サービスを提供している可能性は無きにしも非ずです。

この場合、抵触していると判断される可能性は高いでしょう。

それでは養育費保証サービスが、どうして弁護士法に抵触する可能性があるのかを、分かりやすくお教えします。

養育費保証サービス利用時の基礎知識として、頭に入れておいてください。

ーーー

 

弁護士法73条に抵触する可能性がある理由

弁護士法73条に規定されている内容は下記の通りです。

「何人も、他人の権利を譲り受けて、訴訟、調停、和解その他の手段によって、その実行を業とすることができない。」

養育費保証サービスは不払いの養育費を保証し、その金額を保証によって得られる求償権取得という形で、養育費の支払い義務者から回収します。

つまり、申込者の養育費請求権を求償権という形で取得し、業として養育費回収を行っているわけです。

となれば、指摘通り弁護士法73条に、抵触していることになりますね。

ですが、下記条件に該当する場合は、この違法性が阻却される可能性が高くなります。

「権利の譲受の方法・態様、権利を実行する者の業務内容や実態等からみて、国民の法律生活上の利益に対する弊害が生ずるおそれがなく、社会的経済的に正当な業務の範囲内にあると認められる場合」

ですが、この条件に該当しないと判断される、下記のような国民の法律生活上の利益に対する弊害が生ずるサービス条件では、違法性が阻却されることはありません。

  • 保証料率が50%といった高額サービス
  • 数ヵ月程度の延滞発生で契約終了するサービス

この弁護士法73条に抵触する可能性の見極めは、国民の法律生活上の利益に対する弊害が生ずるおそれがないかどうかです。

利用条件をしっかりと確認するようにしましょう。

弁護士法72条に抵触する可能性がある理由

弁護士法72条に規定されている内容は下記の通りです。

「弁護士又は弁護士法人でない者は、報酬を得る目的で訴訟事件、非訟事件及び審査請求、異議申立て、再審査請求等行政庁に対する不服申立事件その他一般の法律事件に関して鑑定、代理、仲裁若しくは和解その他の法律事務を取り扱い、又はこれらの周旋をすることを業とすることができない。」

つまり、弁護士又は弁護士法人でない者が報酬目的に、法律事務を取り扱ってはならないというわけです。

株式会社小さな一歩のサービスでも紹介したように、申込者に代わって下記の法律事務を弁護士がやってくれるサービス提供をしている保証会社もあります。

  • 相手との養育費に関する交渉
  • 養育費の取り決めに関する書面作成

これが弁護士法72条に抵触する可能性があるというわけです。

事実、このサービスは報酬を得るために、法律事務の取り扱いをしているとも考えられます。

保証会社が弁護士紹介の対価を得ている場合には、法律事務の有償周旋があったとして、確実に抵触することになるでしょう。

利用している養育費保証サービスがこれら弁護士法に抵触しても、利用者が法的リスクを負うことはありません

しかし、弁護士法違反は刑事罰の対象となるため、契約中にサービス提供を中止する業者も出てきます。

また、弁護士も懲戒処分を受けるリスクがあるため、事業協力に慎重となり、弁護士確保が困難になる可能性もあるでしょう。

となれば、これが原因で十分なサービス提供ができず、サービス提供を中止する業者が出てくる可能性も考えられます。

となれば結果的に利用者にも、リスクが出る可能性もあるのです。

この点を踏まえて、業者選びは慎重にすることをおすすめします。

まとめ

今回は養育費保証サービスについて徹底解説しました。

最後まで目を通してもらえたならば、養育費保証サービスを利用するべきかどうかは、ある程度見えてきたのではないでしょうか。

養育費保証サービスは、間違いなく養育費の不払いに悩む人の助けになるサービスです。

利用したいという人も多いことでしょう。

ですが、養育費保証サービスは根本的な問題解決ができる方法ではありません。

よって、長期にわたる不払いに悩んでいる人には、一時的な急場しのぎにしかならないでしょう。

利用を検討する際はこの点に注意して、費用対効果をシッカリと検討した上で申し込むようにしてください。

コメント

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