離婚する夫が無職で養育費が払えない。無職の元夫から養育費を請求する方法を紹介!

夫の経済的な無能さを理由として、離婚する夫婦は少なくありません。

これ以上一緒にいても生活が成り立たないとして、離婚を決断する女性は意外と多いことでしょう。

しかし、ここで問題となるのが離婚後の養育費です。

あなたは夫が無職だから養育費は請求できないと、端から諦めているかもしれません。

ですが、これは間違った考えです。

養育費は親に課せられた法的義務になります。

そのため、無職だからといって、養育費の支払いを免れるわけではないのです。

そこで今回は「無職の元夫に養育費請求することはできるのか?」をテーマに、徹底検証していきます。

どうすれば無職の元夫から養育費を回収できるのかを、見ていくことにしましょう。

相手が無職でも絶対に養育費の取り決めはしておこう!

まず最初によく理解しておいてもらいたいのは、親は養育費の支払い義務が免除されることはないということです。

これを理解した上で、この後の話を聞いてください。

離婚時に夫が無職だからと、端から養育費の取り決めをしない人も多いでしょう。

しかし、夫も生活していかなければなりません。

病気やケガで身体的問題を抱え、就労生活ができないなら話は別ですが、そうでないなら、いずれは何らかの職に就くことになるでしょう。

今は無職で養育費を支払えないとしても、近い将来には支払える状況になっているはずです。

その時に備えて、端から諦めることなく、離婚時には養育費の取り決めはしっかりとしておく必要があるのです。

夫が無職でも養育費の取り決めはできる!

通常、養育費は下記3つの条件を基に決められるのが一般的です。

  • 夫婦それぞれの年収
  • 子供の人数
  • 子供の年齢

この中で養育費に一番影響してくるのが年収です。

あなたの年収がいくらで、夫の年収がいくらかで、支払われる養育費は下記の様に大きく変わってきます。

ここで問題になるのが、夫が無職の場合です

上記グラフにもあるように、縦列の夫の年収が0円の場合、請求できる養育費は「0円から1万円」しかありません。

請求できても1万円、請求できないケースもあるのです。

これでは、端から養育費請求を諦めてしまう人がいるのも仕方のないことでしょう。

しかし、夫が働こうとすれば働けるのに、働いていないとしたらどうでしょうか。

夫の収入を0円として、養育費を決定するのは不当だと感じてしまいますよね。

このケースでは夫に潜在的稼働能力がどれくらいあるのかを検討し、養育費を決定する方法も取れるのです。

潜在的稼働能力とは

潜在的稼働能力とは、実際にその人が働いた場合、どれくらいの収入が得られるのかを示す数値です。

一般的には下記を基に、金額が決定されることになるでしょう。

  • 従前の給料
  • 賃金センサス

健康な成年であれば、原則稼働能力はあると判断されます。

よって、現在無職で養育費算定表では、養育費請求できない状態であったとしても、潜在的稼働能力を基に適正な養育費を請求することもできるのです。

無職だから必ず請求できる養育費が「0円から1万円」と、杓子定規に決定されるわけではありません。

この問題は専門家の判断が必要になるため、当事者同士での話では決着がつきにくい傾向があります。

裁判所へ裁決を委ねることになるでしょう。

時間と労力、そして費用が必要になります。

しかし、先に言ったように、夫が無職でも養育費の取り決めはしっかりやっておかなければなりません。

現在回収できなくても、夫が職に就いた時に回収することができるからです。

しかも、その時には不払い分も遅延損害金を加算して請求することができます。

夫が無職でも潜在的稼働能力を考慮して、必ず養育費の取り決めをするようにしてください。

元夫が無職の場合、養育費を請求することはできるのか

養育費の取り決めをしていても、元夫に支払い能力がなければ、実際に養育費を回収することはできません。

しかし、元夫が無職でも、その相手が下記条件に該当するならば、離婚時の養育費取り決めは大いに役立ってくれるでしょう。

  • 元夫に不労所得がある
  • 元夫に財産がある

不労所得があるなら問題なし!

夫が無職であっても、養育費を支払えるだけの財産を持っていれば何の問題もありません。

その財産を基に養育費を請求してやればいいのです。

無職でも財テクに長けていて、下記の不労所得を稼いでいる人は少なくありません。

  • 不動産投資
  • 株式配当

これら不労所得は立派な収入です。

毎年、確定申告をしているはずですから、その年収を元に養育費を請求してやればいいのです。

むしろこのケースでは、相手が無職とは言えません。

不労所得を得ているならば、無職ではないからです。

離婚時に不労所得があるならば、何の心配もありません。

また、離婚時にこれら不労所得を得ていなくても、離婚後に財テクを始めて不労所得を得るようになる可能性は否めません。

その可能性を考慮すれば、やはり離婚時の養育費取り決めは欠かすことのできない手続きであると理解してもらえるでしょう。

資産があるなら差し押さえも可能!

また、夫が無職でも私的財産がある場合は、絶対に養育費の取り決めは欠かさないようにしてください。

離婚時に養育費の取り決めをしておけば、不払いを理由にその財産を差し押さえることができるからです。

養育費の不払いを理由に差し押さえできる財産は、下記の様に多岐に渡ります。

  • 給与
  • 俸給
  • 退職年金
  • 賞与(ボーナス)
  • 退職金
  • 不動産(土地や建物)
  • 無記名債権(商品券や乗車券、映画などの鑑賞券)
  • 特の必要がない土地の定着物(建設中の建物や灯篭、立木など)
  • 農作物(1ヶ月以内に収穫できるもの)
  • 有価証券(株券や手形、小切手)

今無職であったとしても、差し押さえできる財産はいくつもあるのです。

差し押さえできる財産の有無は、一緒に暮していたあなたなら把握していることでしょう。

「離婚する夫に財産がある!」

こんな時は、強制執行による差し押さえで、絶対に養育費を回収することが可能です。

今支払ってもらえなくても、養育費の取り決めをしておけば、不払い分を回収することができます。

この点をよく念頭に置いて、必ず離婚時には養育費の取り決めをするようにしてください。

無職でも養育費の支払いを命じた判例

先に話した通り、夫が無職でも潜在的稼働能力を基に、養育費の支払いを求めることができます。

しかし、これは専門家の判断が必要なことであるため、個人で簡単に決定できることではありません。

ここではその判断がどう下されているのかを、裁判所の判例から見ていくことにします。

驚くことに無職であることを理由に、裁判所へ養育費請求の申し立てをするのは男性よりも女性の方が多いようです。

しかし、裁判所がとらえている潜在的稼働能力への考えは、男性あっても女性であっても変わりはありません。

判例に目を通して、裁判所がどういう裁決を下しているのかを確認してみましょう。

①大阪高等裁判所:平成30年10月11日判例

この判例は無職の妻に下記事情があることから、夫が妻の収入を潜在的稼働能力を基に、養育費の取り決めを求めた裁判になります。

  • 妻が教員免許を取得している
  • 妻は病気により就労規制を受けているが、非常勤講師として約250万円の
  • 収入を得ていた
  • 妻の退職理由は就労制限を理由とするものではなく、転居が理由だった

この判例では妻の勤務実績と転居理由が考慮され、妻が退職する前年の年収を基に養育費の取り決めが行われました。

無職で無収入であったとしても、潜在的稼働能力があれば、それを養育費の支払い金額に反映することが明確化された判決と言えるでしょう。

②東京高等裁判所:平成304月20日判例

夫が妻に下記事情があることから、妻に潜在的稼働能力があるとして、養育費の決定を求めた裁決になります。

  • 妻が歯科衛生士の資格を持ち、10年以上の勤務実績がある
  • 妻には平日や休日に在宅していることの多い母親の援助を受けられる状況にある

しかし、裁判所は幼稚園や保育園に入園していない子供がいることから、無所得にならざるを得ないことを重視して、妻に潜在的稼働能力がないと判断し、妻の収入を0円として養育費を算定することを決定しました。

もちろん、その子供が幼稚園や保育園に通園でき、妻が稼働できるようになった時には、養育費の見直しがされるべきものであると付言しています。

この将来的な潜在的稼働能力による養育費の金額変更の可能性を認めている判決と言えるでしょう。

養育費の請求には潜在的稼働能力が焦点に!

あなたの夫が無職であっても、潜在的稼働能力を基に適正な養育費請求をすることが可能です。

これは絶対に覚えておいて欲しい、重要な情報と言えるでしょう。

しかし、その際の裁判所の裁決は、下記条件が判断基準となってきます。

  • 夫婦それぞれの家族関係
  • 夫婦それぞれの勤務実績
  • 夫婦それぞれが保有する資格
  • 夫婦それぞれの退職理由

そのため、あなたが減額請求される可能性もあるのです。

この点はしっかりと理解しておく必要があるでしょう。

潜在的稼働能力を基に養育費を設定する際には、その結果はまちまちで、下記どちらのケースを基に決定されるかは分かりません。

  • 従前の給料
  • 賃金センサス

今回の記事はあなたの主観を基に進めていますが、この点はしっかりと理解しておかなければなりません。

離婚時にいずれかが無職となった場合には、養育費の請求は簡単ではありません。

よく話し合って、満足のいく結果を招くようにしてください。

無職の夫でも強制執行による差し押さえで養育費は回収できる!

別れた夫が無職でも、養育費は請求できますし、回収できる可能性は十分にあります。

ここまでの話でこれはちゃんと理解してもらえたことでしょう。

問題なのは、下記条件を満たしているかどうかです。

  • 債権名義を取得している
  • 相手の現住所を把握している
  • 差し押さえる財産の情報を把握している

無職の場合、一番重要なのは、差し押さえる財産があるかどうかです。

債権名義を取得して、強制執行による差し押さえを申し立てる権利を所有していても、差し押さえる財産がないことには、差し押さえすることはできません。

無職となれば給与を差し押さえることは不可能です。

となれば、給与以外に差し押さえることのできる財産を特定する必要があるでしょう。

養育費の不払いに泣き寝入りしなければならなかった女性は少なくありませんでした。

その理由は言うまでもありません。

差し押さえる財産が特定できず、強制執行による差し押さえを申し立てることができなかったからです。

しかし、安心してください。

2020年4月の改正民事執行法の施行に伴い、差し押さえる財産特定がしやすくなりました。

これによって、差し押さえで不払いの養育費を回収できる可能性は、グンと上がると期待されているのです。

改正民事執行法が差し押さえにどんな良い影響を及ぼしているのかについては、下記の記事で詳しく解説しています。

是非この記事に目を通して、無職の元夫から不払いの養育費を回収する方法を入手してください。

無職の元夫に養育費を請求する重要ポイント

離婚した相手が無職であったとしても、潜在的稼働能力があるのならば、養育費の取り決めは絶対にすべきです。

下記ケースでは潜在的稼働能力がないため、養育費の取り決めをすること自体に意味がないかもしれません。

  • 夫が根治不可能な病気やケガで就労可能

このケースであれば養育費の取り決めをしても、実際に支払ってもらえる可能性は低いでしょう。

しかし、何度も言いますが、潜在的稼働能力があるならば、養育費の取り決めは絶対にしておくべきです。

事実、夫が生活していくため、就労する可能性は高いでしょう。

その時に養育費支払いと、不払い分の請求が可能になります。

それに備えた養育費の取り決めは必要不可欠と言えるでしょう。

よって、離婚時には養育費の取り決めを話し合ってみる必要があるのです。

あなたの払えない、相手の払わないは当てにならない!

相手がリストラや体調不良による退職であるならば、無収入であることは一時的な問題でしかありません。

これら事情が解消すれば、養育費を支払ってもらえる可能性はあります。

また、相手が養育費を支払いたくないために、ウソをついている可能性も否めません。

その事実を確認するためにも、それを証明する下記のような資料提出は求めるべきでしょう。

  • 解雇通告書
  • 医療診断書

絶対に相手の言うことを真に受けないでください。

あなたが相手と話したくないというのであれば、弁護士等の第三者に間に入ってもらうのも1つの手です。

知り過ぎているからこそ、話がまとまりにくいという事はあります。

特に離婚という感情的になりやすい事情に直面している場合は、その可能性は高くなるでしょう。

費用は必要になりますが、弁護士等の専門家に仲へ入ってもらうことも検討してみるべきでしょう。

まとめ

今回は「無職の元夫に養育費請求することはできるのか?」をテーマに徹底検証しました。

無職であろうと養育費の支払い義務から逃れることはできません。

無収入であることを理由に、養育費の取り決めから逃れることはできないのです。

相手が無職であっても、将来的に養育費を回収することは可能です。

これは今回の記事で理解してもらえたことでしょう。

相手が無職であっても、養育費を回収できる可能性は皆無ではありません。

その権利を有するためにも、養育費の取り決めは必須事項となるのです。

今回の記事を参考にして、確実に養育費を回収できる手段を模索するようにしてください。

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