家庭裁判所に養育費請求調停を申し立てた時の流れは?掛かる費用や請求できる養育費相場も紹介!

養育費の話し合いがまとまらない、話し合いをしたいけど応じてくれない。

こんな時、次に考えなければならないのが、裁判所への養育費請求調停の申し立てです。

当人同士の話し合いがまとまらないのであれば、裁判所に裁決を委ねるしか手立てはありません。

しかし、養育費請求調停と言われても、どうしたらいいのか分からないという人も多いことでしょう。

そして、申し立てに掛かる費用も気になるところです。

養育費がもらえるようになっても、費用が掛かり過ぎるのでは元も子もありません。

いくらの養育費を受け取るために、どれだけの費用が掛かるのかが分からなければ、養育費請求調停を申し立てようにも、申し立てることはできませんよね。

そこで今回は養育費請求調停の申し立ての流れと、それに掛かる費用、そして受け取ることができる養育費相場について解説します。

これから養育費請求調停の申し立てをと考えている人は、最後まで目を通して、申立時の参考にしてください。

養育費請求調停の申立先はどこの家庭裁判所になるの

養育費請求調停の申し立てをするのに、まず知っておかなければならないのが申立先家庭裁判所です。

申立先となる家庭裁判所は下記のいずれかです。

  • 元夫の現住所を管轄している家庭裁判所
  • 当事者同士が合意して決めた家庭裁判所

管轄区域の家庭裁判所は、下記の裁判所HPで記載されています。

裁判所の管轄区域

元夫の現住所を管轄する家庭裁判所を確認したい人は、ここで調べてみましょう。

申立先の家庭裁判所を選ぶ際の注意点

あなたと元夫の現住所を管轄する家庭裁判所が同じならば、何の問題もありません。

しかし、両者の管轄する家庭裁判所が異なる場合は注意が必要です。

養育費請求調停は1ヶ月に1度のペースで、数回に分けて行われます。

1、2回で成立にいたることもありますが、難航すると10回を超えるケースも出てきます。

特に金銭が絡んだ調停は難航する傾向があるため、養育費請求調停もそうなる可能性が高いと考えておくべきでしょう。

そこで注意して欲しいのが、調停時に掛かる交通費や宿泊費です。

元夫の離婚後住所が遠隔地の場合、必ず安くはない交通費が実費として掛かりますし、宿泊しなければならない可能性もあります。

調停の都度、宿泊費が掛かってしまうのです。

調停の回数にもよりますが、この実費負担は見逃すことはできません。

交通費や宿泊費を抑えるためにも、申立先の家庭裁判所を選ぶ際には、できるだけ近くの家庭裁判所にすることをおすすめします。

元夫と話し合って、両者の中間地にある家庭裁判所を選ぶなどの対応が必要でしょう。

これは相手との合意が必要ですから、致し方ない場合もありますが、忘れず考えてもらいたいポイントです。

後で実費が掛かり過ぎたと後悔しないようにしてくださいね。

養育費請求調停の流れ

それでは次は養育費請求調停を申し立てた時の流れを、簡単に解説していきましょう。

養育費請求調停の流れは下記の通りです。

  1. 家庭裁判所に申立書と必要書類を提出して申し立てる
  2. 家庭裁判所が調停スケジュールを決める
  3. 当事者に調停期日呼出状が送付される
  4. 調停が行われる
  5. 成立および不成立、取り下げによって調停が終了

申し立てた後は、成立および不成立、取り下げによって調停が終了するまで、1ヶ月に1度のペースで調停が行われることになります。

調停期日は家庭裁判所が決定するので、調停が始まった後は家庭裁判所の指示に従えばいいでしょう。

ですが、調停はできるだけあなた有利に進める必要があります。

満足いく条件で養育費を受け取るためにも、これは絶対に欠かすことはできません。

調停を有利に進めるコツは、下記記事の「養育費請求調停を有利に進めるポイント」で詳しく解説しています。

絶対に押さえておいて欲しい情報です。

しっかりと目を通すようにしてください。

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気になる調停期間は?

調停が終了するまでの期間は人それぞれです。

当事者同士の要求が早くまとまれば1,2回程度で調停成立となるでしょうが、先ほど言ったように金銭問題の調停は長期化する傾向があります。

養育費請求調停でも養育費の金額が大きな争点となるため、長期化する可能性は高いでしょう。

下記は養育費請求調停にかかる期間の目安となる参考データです。

期間 割合
1ヶ月~3ヶ月以内 30.8%
3ヶ月超え~6ヶ月以内 35.8%
6ヶ月超え~1年以内 22.1%
1年超え~2年以内 4.7%

養育費請求調停に掛かる期間は、概ね6か月以内と考えておけばいいでしょう。

相手の欠席や話し合いがつかずに調停不成立となった後の流れ

先に話したように養育費請求調停は、下記いずれかのケースで終了となります。

  • 成立
  • 不成立
  • 取り下げ

ここで気になるのは成立せずに、不成立となった場合でしょう。

養育費請求調停の場合は、相手が調停に来ないケースも少なくありません。

調停に来たとしても、お互いの要求が折り合わないことはざらです。

そのため、調停不成立となる可能性も高くなってきます。

しかし、調停不成立となっても、心配する必要はありません。

調停不成立となれば、自動的に審判手続きが開始され、審判での審理に移行されるからです。

相手が来ないため調停不成立となる時の流れは、下記記事の「養育費の請求調停に相手が来ない場合はどうなってしまうのか」で詳しく解説しています。

どれくらいで調停不成立になるのかを知りたい人は、ぜひ覗いてみてください。

審判に移行された時の流れ

調停は当事者それぞれが合意しなければ成立しません。

しかし、審判は当事者の意思とは関係なく、裁判官の判断によって結論が下されます。

そのため、相手が来なくても審判は下されることになるのです。

もちろん裁判官は、当事者の意向を無視した結論を下すわけではありません。

調停時の資料や審判時に提出された資料を基に、第三者として公平な目で養育費の取り決め事項を決定します。

よって、調停不成立となっても、この審判で養育費請求は認められ、取り決め事項も決定されるというわけです。

ですが、必ずしもこの審判で養育費請求の争いが終了するとは限りません。

元夫が審判の決定に納得せず、不服申立する可能性があるからです。

元夫が不服申立した時の流れ

審判で出された決定は絶対的強制力を持つものではありません。

必ず従わなければならないわけではないのです。

審判で裁判官の出した結論に納得できない場合は、不服申立することができます。

この場合の流れは下記の通りです。

  1. 元夫が家庭裁判所へ異議申し立てをする
  2. 家庭裁判所から高等裁判所へ管轄裁判所が変更される
  3. 高等裁判所で審理が開始
  4. 高等裁判所が異議申し立てを認める
  5. 高等裁判所で裁判が開かれる
  6. 高等裁判所での結審

異議申し立ての方法は下記の3つがあります。

  • 即時抗告
  • 特別抗告
  • 許可抗告

養育費審判の場合は、即時抗告での異議申し立てが一般的です。

元夫が異議申し立てをすると、高等裁判所は異議申し立ての審理を始めます。

そして異議申し立てが妥当だと判断すれば、裁判が開かれるという流れです。

元夫がこの異議申し立てをした場合、裁判の有無に関係なく、あなたの養育費請求はさらに長期化してしまいます。

この点は肝に銘じておくようにしてください。

養育費請求調停の申し立てで掛かる費用

養育費請求調停の申し立てで、裁判所に支払う実費は大した額ではありません。

養育費を受け取る子供が1人ならば、2、3千円ですむでしょう。

問題なのは弁護士費用です。

こちらは2、3千円ではすみません。

数十万という費用が必要になるので、弁護士を雇うつもりならば覚悟しておく必要があるでしょう。

また、弁護士費用は依頼する弁護士事務所によって、大きく違ってくる可能性があります。

できるだけ弁護士費用を抑えるためにも、弁護士選びは慎重に行うべきです。

弁護士費用を含めた養育費請求調停の申し立てで掛かる費用と、賢い弁護士選びのポイントは下記の記事で詳しく解説しています。

養育費請求調停の申し立てを検討しているなら、絶対に知っておくべき情報です。

しっかりと目を通すようにしてください。

請求できる養育費の相場を知ろう!

養育費請求調停の申し立てを検討しているならば、まず明確にしなければならないのが養育費の請求額です。

当事者同士で話し合いがつくならば、請求額は好きに設定することができます。

しかし、養育費請求調停では請求額に妥当性が求められるため、請求額に正当性が無くてはならないのです。

むやみやたらに高額請求をしても、絶対に認められることはありません。

しかも、正当性のない要求は、調停委員にあなたが感情的になって、元夫に無理難題を押し付けているという印象を抱かせてしまいます。

これは調停委員の心証を悪くし、調停を有利にすすめることを阻害する可能性があるので、絶対に避けなければなりません。

そこで請求額に正当性を持たせるために、確認して欲しいのが養育費相場です。

養育費は下記3つを考慮して算出されます。

  • 夫婦それぞれの年収
  • 子供の人数
  • 子供の年齢

そのため、養育費は請求する人によって、相場額が違ってきます。

そこであなたの養育費相場を確認する際に、利用してもらいたいのが養育費算定表です。

養育費算定表の見方

養育費算定表は裁判所が公開している養育費相場のデータです。

以前はこのデータ算出した時代背景が現状と違い過ぎるため、公表データが現状に則していないと日本弁護士連合会から指摘されていました。

しかし、現在はこの問題点が見直され、現状に即したデータに変更されています。

裁判所でも養育費決定時の基本データとして採用されているので、最も信頼性と実効性の高いデータと言えるでしょう。

また、この養育費算定表のおすすめポイントは、これだけではありません。

下記3つの情報さえあれば、一目であなたの養育費相場を確認できます。

  • 夫婦それぞれの年収
  • 子供の人数
  • 子供の年齢

この計算いらずで確認できる使い勝手の良さは見逃せません。

養育費算定表の見方は下記記事の「実践編!実際に年収600万円で子供2人の養育費を算定表で確認してみよう!!」で分かりやすく解説しています。

養育費算定表の改善ポイントも分かりやすく紹介しているので、必ず目を通して養育費算定表の見方をマスターしてください。

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まとめ

今回は家庭裁判所で養育費請求調停を申し立てた時の流れと、掛かる費用や請求できる養育費相場について解説しました。

当事者同士の話し合いで決着がつかない場合、次に取れる手は養育費請求調停になります。

おそらく離婚したシングルマザーの多くが、この養育費請求調停に頼ることになるでしょう。

時間はかかりますが、申し立てをすれば必ず養育費請求の決着をつけることができます。

今回の記事を参考にして、できるだけ満足のいく養育費請求ができるようにしてください。

コメント

  1. […] […]

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