養育費に含まれるものって何?あなたの知りたい養育費内訳を徹底解説!!

離婚後、子供と離れて暮らすことになる非親権者には、その子供に対して養育費の支払い義務を負います。

大抵の場合、この非親権者となるのは子供の父親です。

低所得者層が多い母子世帯にとって、養育費は必要不可欠な生活資金と言えるでしょう。

しかし、養育費と一口に言っても、どんなものが養育費に含まれるのか理解している人は多くありません。

杓子定規に相場で養育費を決めてしまうと、後々、もうらう養育費だけでは足りない事態に直面する可能性もあるでしょう。

そんな事にならないためにも、「養育費に含まれるもの」はしっかりと把握しておく必要があるのです。

そこで今回は養育費にはどんなものが含まれるのかを徹底解説していきます。

離婚時の協議で必要な費用をしっかりと請求できるように、よく目を通すようにしてください。

養育費に含まれるもの

養育費とは子供が経済的・社会的に自立して、社会人になるまでに必要な費用を指します。

ここで注目して欲しいのは「社会人になるまでに必要な費用」に、どんなものが含まれているのかです。

急に「社会人になるまでに必要な費用」と一口に言われても、一体な何が必要で、必要でないかなんて分かりませんよね。

一般的に養育費に含まれるものとしては、下記のものが挙げられます。

  • 衣食住の費用(食費や住居費、被服費)
  • 教育費(学校の授業料や教科書代など)
  • 医療費
  • 適度な娯楽費

しかし、これらはあくまで養育費に含まれると認識されている一般的な費用であって、具体的に明確化されているわけではありません

これは法務省が養育費についてHPで触れている、下記記載を見てもらっても明らかです。

Q1養育費とは何ですか。(A)養育費とは,子どもの監護や教育のために必要な費用のことをいいます。一般的には、子どもが経済的・社会的に自立するまでに要する費用を意味し、衣食住に必要な経費、教育費、医療費などがこれに当たります。

あまりに具体性に欠けていますよね。

現状、養育費に含まれる費用については、具体的な基準が設けられているわけではありません

試しにインターネットで「養育費 含まれる費用」と入力して、ワード検索してみてください。

検索ページに出てきたどのサイトを覗いても、法務省HPの回答と似たような回答ばかりで、「これがそうで、これは違う」といった具体的な回答は見当たりません

これでは養育費について知りたいという人が、迷ってしまうのも当然のことでしょう。

実際に自分が請求したい費用が養育費として認められるかどうかは、個人が簡単に判断できるものではないのが実情というわけですね。

養育費と教育費は別物ではない!

そしてこの養育費の中で一番認識が甘いのは、教育費に対してです。

養育費に含まれるのもが具体化されていないことが影響してか、養育費と教育費は別物だと思い込んでいる人も少なくありません。

事実、弁護士事務所が運営するHPには、下記のような質問が多く寄せられています。

「わたしが教育費と思っているものが、教育費では無く養育費に入っている物がありましたら教えて下さい。」

「養育費と教育費との違いを教えて下さい。」

「養育費と教育費は別ものなのでしょうか?」

このような質問が多いのは、養育費に何が含まれているのかをよく理解できていないことの証でしょう。

教育費は養育費に含まれる1つの費用です。

そして、この教育費で注意して欲しいのは、どんなものが教育費として認められるのかです。

教育費に対する考えは、人によって異なります。

「大学進学までを想定している人」と、「高校進学までで十分だという人」とでは、必要になる教育費が違ってくるのは言うまでもありませんよね。

そのため、特に教育費の取り決めにおいては、どのような費用が教育費として必要になるかのかを、明確にしておく必要があるのです

通常の養育費には必要最低限の費用しか含まれていない!

養育費を決める際に1つの指標とされるのが、家庭裁判所でも用いられている「養育費算定表」です。

大抵はこの「養育費算定表」の算定額を養育費の相場として、離婚後の養育費が決定されます。

ですが、この「養育費算定表」で算出されている養育費は、あくまで最低限必要になる費用を基に算出された金額なのです。

そのため、個々で必要な費用が異なる教育費は、「養育費算定表」で算出された養育費だけでは十分とは言えません。

事実、「養育費算定表」で算出されている教育費は、公立の小中高へ進学することを前提に算出されています。

下記費用は教育費には含まれてはいないのです。

  • 私立の小中高への進学費用
  • 小中高への入学費用(ランドセルや制服など)
  • 通学の交通費
  • 修学旅行費用
  • 部活の費用(ユニフォーム代や試合遠征費)
  • 大学への進学費用
  • 進学塾や習い事に掛かる費用

「えっ!これも含まれてないの!!」と驚かれた人は多いことでしょう。

では、これら費用を養育費に含めることはできないのでしょうか。

いいえ、相手の同意が得られれば、特別費用として養育費に加算することが可能です。

教育費は「これくらいは含まれていて当然。」などと高をくくっていると、必ず後で慌てふためくことになるでしょう。

これは教育費だけに言えることではありません。

他の費用に関しても、どんなものが特別費用として必要になるのかを、把握しておく必要があるのです。

相場を基に取り決めた養育費だけで、全てを賄うことはできません。

この点をよく理解した上で、相手に必要な養育費の増額を求めるようにしてください。

養育費には含まれない教育費一覧

それではどんな費用が教育費に該当するのかを、簡単に紹介しておきましょう。

その費用としては大きく分けて、下記の2つに分類されます。

  1. 学校に直接支払われる費用
  2. 学校以外に対して直接支払われる費用

しかし、必要な教育費は個人によってバラつきがあります。

全ての子供が同じ費用を必要とするわけではありません。

私立に進学させるさせない、大学に進学させるさせないだけでも、必要になる教育費は全く違ってきますよね。

よって、養育費の取り決めには、子供に対してどんな教育を受けさせるつもりでいるのか、その将来設計と方針をしっかりと決めて臨む必要があります

子供の夢や人生の選択肢を狭めないようにも、十分な教育を受けさせられるだけの教育費は確保したいところです。

「そう言われても、子供が幼いままだと、将来どんな費用が必要になるのか想像できない。」こんな人も多いでしょう。

それでは教育費として必要になる費用には、どのようなものがあるか見ていくことにします。

教育費を取り決める時はこれら費用項目を参考にして、どんな教育費が必要になるのか、またどの費用項目が養育費に含まれていないのかを、確認するようにしてください。

①学校に直接支払われる費用

学校と一口に言っても、学校と呼ばれるものには、実に多くの機関が存在します。

  • 幼稚園
  • 小学校
  • 中学校
  • 高等学校
  • 中等教育学校
  • 特別支援学校
  • 高等専門学校
  • 大学
  • 大学院
  • 専修学校
  • その他各種学校
  • 外国の教育施設(日本人学校、私立在外教育施設、インターナショナルスクール、外国人学校、外国大学の日本校、国際連合大学)
  • 認定こども園
  • 保育所

これら上記の学校に直接支払われている教育費としては、教育に伴って必要になる下記の費用が挙げられます。

  • 入学金
  • 授業料
  • 入園料
  • 保育料
  • 施設設備費
  • 入学(園)試験などの検定料
  • 学用品費
  • 修学旅行費
  • 学校給食費

これら費用は養育費算定表で算出された養育費には、含まれないものばかりです。

となれば、養育費に含まれる教育費だけでは賄いきれないのは、一見しただけでお分かりいただけるでしょう。

②学校以外に対して直接支払われる費用

学校以外に対して直接支払われる費用は下記のものが挙げられます。

  • 学習塾やそろばん塾などの指導対価や施設使用料
  • 水泳や野球などのスポーツ、ピアノや絵画などの文化芸術活動など、その他教養の向上活動の指導対価や施設使用料
  • 上記2つの市道で使用する物品購入費用
  • 学校教育に伴い学校が必要だと認めた物品購入費用
  • 通学費用
  • 留学渡航費
  • 学校の入学、転入学、編入学時に必要になった転居費用や交通費

これら費用も先ほどと同様に、養育費には含まれていません。

「塾や習い事の費用くらいは・・・」と思われた人は多いでしょう。

「これは必要だ!」と思った費用も、ことのほか多いのではないでしょうか。

となればこの費用にしても、到底、養育費では賄いきれないのは一目瞭然ですよね。

特別費用を請求するには話し合いが必要不可欠!

養育費に含まれていない特別費用をどうするかは、離婚した両者や子供との話し合いが必要になります。

しかし、ここで注意して欲しいのは、特別費用は請求したから必ず認められるものではない点です。

もちろん、両者の話し合いで合意が得られれば、何の問題もありません。

ですが、話し合いで合意が得られない場合は、家庭裁判所へ養育費増額の調停申立が必要になり、裁決を裁判所に委ねることになります。

ここで要求が認められなければ、養育費の特別費用として請求できません

そこで次は特別費用が必要になり、養育費の増額を求める際の注意点をお教えします。

養育費の増額要求では話し合いは欠かせませんし、裁判所に頼らなければならない時も出てくるので、しっかりと頭に叩き込んでください。

話し合いで決める際の注意点

養育費の請求は子供が成年年齢に達するまで、いつでも請求することができます。

特別費用の請求も同様です。

ですが離婚時に養育費の話し合いを持たない夫婦も多く、自ら養育費の受け取りを拒否する親権者も少なくありません。

養育費の請求は離婚後でもできるのですが、離婚時に話し合いの場を持たず、一度も養育費を受け取っていないケースでは、話し合いが難航することが多くなります

これは特別費用の請求時でも同じでしょう。

これは十分に覚悟しておいてください。

ですが、資金に余裕があり、子供の将来を真剣に考えている親なら、上手く同意を得られる可能性もあるでしょう。

運よく相手の同意が得られた時は、今後の養育費支払の取り決めを「執行認諾付きの公正証書」として作成しておくことをおすすめします。

執行認諾付きの公正証書があれば、養育費の支払いが滞った時に、裁判を経ずに強制執行による差し押さえが可能です。

お互いの合意を明確にしておくためにも、口約束や私文書ではなく、公的執行力を伴う公文書である公正証書を作成することをおすすめします。

裁決を裁判所に委ねる際の注意点

離婚時に協議離婚が成立せず、裁判所で離婚訴訟となる場合は、養育費についてもその訴訟判決で決めてもらうことができます

また、離婚後は家庭裁判所への養育費請求の調停を申し立て、養育費の取り決めをするのが一般的です。

特別費用の請求時も同じ流れになります。

調停で話がまとまらなければ、審判の場で裁決を仰ぐことになるというわけです。

裁判所の調停成立や審判が下されると、 執行認諾付きの公正証書と同じ強制執行力のある債権名義が交付されます。

わざわざ公正証書を作成する必要はないので、その点は安心してください。

ですが、心配なのは費用です。

裁判所で必要になる実費は数千円程度のものですが、弁護士を雇うことになるため、下記の弁護士費用が必要になります。

費用項目

費用相場

相談料

30分:5,000円

着手金

15万円~30万円

事務手数料

調停・審判:2万円、訴訟:35,000円

成功報酬

養育費の10%~20%

出廷日当

3万円~5万円

決して安価なものではありませんよね。

低額所得者の多い母子家庭では、簡単に用意できる額でないのは一目瞭然です。

しかし、費用が掛かるからと簡単に諦めないでください。

今は分割支払に対応している弁護士事務所もあり、法テラスなら立て替え払い制度が用意されています。

資金がないからと諦めずに、これら方法を利用してみるといいでしょう。

養育費に含まれない費用

勘違いしている親権者も多いようですが、養育費として支払われた金銭は、子供の為だけに使用されるべきものです。

中には親権者の生活費として使用している人も見られますが、親権者の生活費は養育費に含まれてはいません

そのため、「この額じゃ、親子で生活できないから増額してくれ!」と要求しても、通る話ではないのです。

よって、親権者の生活費こそが、養育費に含まれない最たる費用と言えるでしょう。

これは勘違いしないよう、よく理解しておいてください。

また、養育費に含まれる費用は具体的に明確化されてはいませんが、比較的広範囲において多くの費用が養育費として認められます

よって、養育費に含まれないものを探るよりも、必要な費用が含まれているかを把握しておいた方が無難です。

その確認方法は弁護士等の専門家に相談するのが、一番手っ取り早いでしょう。

今は初回無料の相談を実施している弁護士事務所も多く、定期的に無料法律相談を開催している自治体も全国で見られます。

このような場を有効に使って、一度相談してみることをおすすめします。

養育費を受け取ることができる期間

養育費はいつまで受け取ることができるのか。

これは支払義務者、権利者共に気になるところでしょう。

養育費は経済的、社会的に自立していない未成熟子が、自立するまでに必要とする費用を指します。

そのため、精神的・経済的に自立しているとみなされる、成年年齢20歳までが一般的な受取期間です。

しかし、民法改正に伴い、2022年4月1日に成年年齢が20歳から18歳に引き下げられます

今のところこの引き下げが、養育費の受給期間にどう影響するのかは、何の発表もありません。(*2020年9月現在)

民法改正と共に、支払期間が18歳までに変更される可能性は高いでしょう。

変更に対する発表には、注力することをおすすめします。

養育費の受給期間は短縮・延長することができる

原則、養育費の受給期間は成年年齢の20歳になるまでです。(*2020年9月現在)

しかし、経済的な自立が認められた時点を受給期間とする考えもあり、下記のように就職時年齢を終了時期とするケースもあります。

  • 高校卒業時の18歳
  • 大学卒業時の22歳

20歳までという考えはあくまで成年年齢を基にした目安です。

別段、法的規制があるわけではないので、お互いに納得すれば変更することができます

そのため就職時年齢を終了時期に変更するには、お互いの合意が必要になってきます。

この点は誤解のないように、よく覚えておいてください。

養育費の終了時期変更を裁判所の裁決に委ねると・・・

また、話し合いで合意されなければ、裁決を裁判所に委ねることになりますが、終了時期は20歳とする裁決が多いようです。

これは、裁判所の養育費に対する考え方が大きく関係しています。

養育費は親が自分と同等程度の生活を保証する、「生活保持義務」を前提とした義務です。

そのため、親が大学を卒業しているという前提がなくては、終了時期の延長が認められるのは厳しくなります。

親が高卒では、子供の大学進学は過分な生活保証になってしまいます。

そのため、裁判所から受給期間の延長が認められる可能性が低くなるというわけです。

「子供が大学に進学したいなら、親がその費用を援助するのは当然のことだ。」

こう考える人は多いことでしょう。

しかし、何から何まで必要だから認めるというスタンスがまかり通れば、養育費の支払義務者への負担は天井知らずで、親の生活自体が危ぶまれてしまいます。

また、大学への進学が当たり前という社会であれば、この請求も当然の権利として認められるかもしれません。

ですが、高校への進学率は98.8%なのに対し、大学への進学率は50%と、とても大学進学が一般的だとは言えないレベルです。

そのため現状は、「親と同等レベル」に限って認めるという裁決が多くなっています。

裁判所が請求の可否を関係者や社会の状況に応じて、裁定するのは当然のことでしょう。

こういった事情から、裁決を裁判所に委ねた場合は、請求が認められない可能性が高くなってしまいます。

これはよく理解しておくようにしてください。

まとめ

養育費は裁判所で用いられている「養育費算定表」を相場として、取り決められることが少なくありません。

しかし、この「養育費算定表」に記載されている養育費は、必要最低限の費用を基に算出された金額です。

特に養育費の中の教育費には含まれていない費用が多いため、子供にいい教育を受けさせたいと願う親にとっては不十分な額となるでしょう。

ですが、含まれていないから請求できないわけではありません。

特別費用として請求することが可能です。

今回話したことを参考にして、十分な養育費を受け取れるようにしてください。

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