離婚して子供をしっかり育てるのに欠かせないのが養育費です。
「せめて10万円くらいは欲しい・・・。」
「だけど10万円って安いんだろうか、高いんだろうか?」
こんな風に考えている女性は少なくないでしょう。
しかし、月額10万円の養育費を受け取っているシングルマザーは、決して多くありません。
ごく一部のシングルマザーしかいないでしょう。
そこで今回は養育費相場はどうやって決まるのか、その決定要因と計算方法を分かりやすく解説します。
最後まで目を通してもらえれば、あなたの請求できる養育費がいくらなのか検討がつくようになっているでしょう。
【養育費10万円】養育費相場は「年収・子供の人数・年齢」の3つで決まる!
「養育費はどうやって決めるの?」
あなたはこんな風に考えたことはありませんか。
確かに決定要因が明確にされてなくては、養育費相場だと言われても信じることはできませんよね。
離婚後の養育費相場は、下記3つ条件を基に算出されています。
- 夫婦それぞれの年収
- 子供の人数
- 子供の年齢
この3つを基に標準計算式を用いて、養育費相場が算出されているのです。
これら条件が個々に異なるため、受け取れる養育費は人によって異なります。
これは覚えておくといいでしょう。
一番影響を及ぼすのは年収!
この3つの中でも、特に養育費に影響を及ぼすのが年収です。
子供の人数や年齢も無視することはできませんが、年収が及ぼす影響と比べれば微々たるものでしょう。
請求できる養育費は、婚姻中の婚姻費用を受け持っている夫の年収しだいといっても過言ではありません。
実際にこれら3つの条件が変われば、請求できる養育費がどれくらい異なるのかは、下記記事の「年収別の養育費相場を確認しよう!」と「子供の人数別で見る養育費相場」で、実際にシミュレーションして紹介しています。
あなたが受け取れる養育費がいくらなのか、条件が異なればどれくらいの差が出るのかを確認してみましょう。
対象となる年収は最新のものが一般的だが・・・
それでは、算出時にはいつの年収が基準にされているのでしょうか。
基本的にこの問題は、当事者同士が納得するのであれば、いつのものでも問題ありません。
しかし、通常は最新の下記データを用いるのが一般的です。
- 源泉徴収票
- 課税証明書
- 給与明細
一般的には昨年度の源泉徴収票の年収データを参考にすることが多いようです。
ですが、離婚協議中に夫が転職したような場合だと、昨年度の源泉徴収票を参考にすれば、実際の収入が反映されていないことになります。
この場合、昨年度の年収を参考にすれば、下記のような不具合が発生することになるでしょう。
- 転職前より収入が減った → 夫の養育費負担が大きくなる
- 転職前より収入が増えた → 妻が受け取れる養育費が少なくなる
これでは互いにとって、デメリットしか生まれません。
そこで、このような場合は、実際の収入を反映するために、転職後の給与の平均額を参考にするといった方法が取られます。
参考にされる一般データは昨年度の年収ですが、ケースバイケースというわけです。
昨年度と現状の収入が異なる場合は、この点を十分考慮して話し合うようにしてください。
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【養育費10万円】養育費算定表の見方と養育費の基本的な計算方法
養育費相場を確認する方法として、一番ポピュラーなのが「養育費算定表」です。
養育費算定表は裁判所が公表している相場データで、現状、最も実効性と信頼性の高いデータとして認知されています。
裁判所が養育費を決定する際にも、参考データとして用いているので、一番おすすめできる相場データと言えるでしょう。
また、下記3つの条件さえ分かれば、計算いらずで目視確認できる点も見逃せません。
- 夫婦それぞれの年収
- 子供の人数
- 子供の年齢
また、WEB上ではこの養育費算定表の相場データを基に、養育費算定表よりもさらに簡単に養育費相場を確認できる養育費計算ツールが公開されています。
手軽に養育費相場を確認したいなら、養育費算定表よりも、この養育費計算ツールの方がおすすめです。
しかし、この養育費算定表は、下記条件に該当する人は利用できません。
- 子供が4人以上
- 夫婦それぞれが子供を引き取っている
この場合、標準計算式を用いて、自ら計算するしかないでしょう。
その計算方法と養育費計算ツールについては、下記の記事で詳しく解説しています。
早速この記事を覗いて、あなたが請求できる養育費相場を確認してみるようにしてください。
養育費10万円は安いか高いか?!実際の養育費平均額から検証してみよう!
冒頭でも言ったように、養育費10万円というのは決して安い金額ではありません。
むしろ高すぎるといっても過言ではないでしょう。
これは実際に受け取っている養育費の平均額を見れば明らかです。
ここでは養育費10万円が高いという事実を、様々なデータから検証していくことにします。
母子世帯の養育費平均額はたったの4万円強・・・
厚生労働省が公表した「平成28年度全国ひとり親世帯等調査結果報告」によると、養育費の月額平均額は下記の様に、10万円には遠く及びません。
- 母子世帯:43,707円
- 父子世帯:32,550円
(*平成28年度分)
また、子供の人数別に見ても、下記の様に1人が2人になったから、倍額となるわけでもないのです。(*母子世帯を参照)
- 1人:38,207円
- 2人:48,090円
- 3人:57,739円
- 4人:68,000円
子供が4人いても、受け取っている養育費平均額は10万円には達していません。
養育費10万円がいかに高い金額なのかが、お分かりいただけるでしょう。
養育費10万円を請求できる条件は?
それでは養育費10万円を請求できるのは、どんな人たちなのでしょうか。
先に話した様に、養育費は夫の年収が大きくものを言います。
そこで夫の年収がいくらあれば、養育費10万円を請求できるのかを確認してみましょう。
下記の養育費算定表を見てください。
この養育費算定表は14歳未満の子供が1人いる場合のものですが、あなたが無収入と仮定して、養育費10万円を請求できる可能性があるのは、下記の様に夫が高年収の場合のみです。
- 会社員の場合:625万円以上
- 自営業の場合:471万円以上
また、確実に請求できるのは、下記の様にさらに高年収であることが求められます。
- 会社員の場合:800万円以上
- 自営業の場合:601万円以上
日本の大卒男性の平均年収が480万円ですから、この条件をクリアできる女性は一部に限られるのは明白ですよね。
養育費10万円は、間違いなく高額な養育費に区分されます。
請求したくても、請求できない人が多いのが実情でしょう。
あなたが養育費10万円を請求できるかどうかは、あなたの夫の年収にかかっています。
この点はよく理解しておくようにしてください。
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まとめ
今回は養育費相場はどうやって決まるのか、その決定要因と計算方法を解説しました。
今回の記事を最後まで目を通してもらえたなら、あなたが養育費10万円を請求できるのか、そして実際にいくら請求できるのかは目処が付いたことでしょう。
当事者同士の話し合いで養育費を決定するのであれば、いくらにしようと問題はありません。
あなたが養育費10万円を請求して、相手が合意するならば確実に10万円の養育費を受け取ることができるでしょう。
しかし、養育費相場を基に話し合った場合や、裁判所に裁決を委ねた場合は、養育費相場に沿った金額となります。
あなたがそうなる可能性もあるでしょう。
まずは、あなたがいくらの養育費を請求できるのかをしっかり把握して、交渉に臨むようにしてください。
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