年収600万円の夫と離婚!養育費はいくら?養育費相場の求め方と請求時の注意点も併せて解説!【計算方法】

「年収600万円の夫と離婚したい!」

となれば、考えなければならないのが、離婚後の生活です。

国税庁が発表している「民間給与実態統計調査(平成30年度版)」によれば、年収600万円台の男性年齢は9.2%と10%にも達していません。

ですが、このデータで注目して欲しいのは、年収600万円の男性がごく一部だという点ではありません。

年収600万円台の男性年齢です。

年収600万円台の男性年齢は45歳中盤から後半が大半を占めます。

つまり、離婚時の子供は中学生もしくは高校生で、養育費が一番掛かる年ごろである可能性が高いのです。

大学進学が決定しているケースも多いことでしょう。

よって、離婚時には十分な教育費をもらうことができるのかが、重要なポイントとなってくるのです。

そこで今回は年収600万円の夫と離婚した場合、どれくらいの養育費がもらえるのかを、養育費相場の求め方を解説しながら検証します。

併せて大学進学で必要になる養育費の支払期間延長の可否についても解説するので、年収600万円の夫と離婚を考えている人は、しっかりと目を通すようにしてください。

まずは養育費の基本的な計算方法を理解しよう!

養育費はいくらでなければならないという決まりはありません。

法律で決まっていると思っている人もいるでしょうが、これは大きな勘違いです。

養育費の支払い義務に関する規定はありますが、金額に関しては何の規定もありません。

原則、養育費は離婚する両者の話し合いによって決めるものなのです。

ですが、話し合うといっても、いくらくらいが適正金額なのかが分からなければ、建設的な話し合いはできませんよね。

そこで、養育費相場の参考データとして使われているのが「養育費算定表」です

養育費算定表は協議離婚や裁判所の養育費決定に用いられており、信頼性と実効性の高いデータとして評価されています。

下記3つの条件さえ分かれば計算する必要もなく、一目で養育費相場が確認できる点も見逃せません。

  • 離婚する夫婦それぞれの年収
  • 子供の人数
  • 子供の年齢

裁判所が養育費の決定に使用していることもあり、養育費は養育費算定表の金額とほぼ同額となるのが一般的です。

いくら養育費がもらえるのかを知りたいなら、この養育費算定表を参考にするのが一番おすすめな方法と言えるでしょう。

そこであなたが自分で養育費相場を確認できるように、実際に養育費算定表を使った養育費相場の確認方法をお教えします。

実際に養育費算定表を見ながら順を追って解説するので、一緒に養育費相場を確認してみることにしましょう。

養育費算定表を使った養育費相場の確認方法

それでは一緒に養育費相場を確認していきましょう。

養育費算定表は下記の裁判所HPで無料公表されています。

養育費算定表

まずは上記サイトにアクセスしてください。

すると、「養育費・婚姻費用算定表」のページが開くので、画面トップ下にある「養育費・婚姻費用算定表」をクリックしましょう。

「平成30年度司法研究(養育費,婚姻費用の算定に関する実証的研究)の報告について」というページが開いたと思います。

ステップ1:該当するPDFファイルを開く

ここで注目して欲しいのが、画面トップ下にある(表1)から(表9)までのPDFファイルです。

これら各PDFファイルが養育費算定表です。

養育費算定表は下記条件別に「(表1)から(表9)」に分類されています。

  • 子供の人数
  • 子供の年齢

この中から、あなたの子供の人数と年齢に該当するファイルを選べば、必要な養育費算定表が開くというわけです。

今回は試しに「(表1)養育費・子1人表(子0~14歳)」で、養育費を確認してみましょう。

ステップ2:夫婦それぞれの年収から養育費を確認する

「(表1)養育費・子1人表(子0~14歳)」をクリックすると、下記のグラフが画面に表示されます。

このグラフで注目して欲しいのは、縦列と横列に記載されている下記2つです。

  • 義務者の年収/万円
  • 権利者の年収/万円

この場合、あなたと別れる夫は下記の通り分類され、縦列が離婚する夫、横列があなたの年収となります。

  • 義務者⇒非親権者(子供と離れて暮らす夫)
  • 権利者⇒親権者(子供と暮らすあなた)

あとは、離婚する夫とあなたの職業に応じて年収金額を選び、グラフ上でクロスさせるだけです

  • 自営⇒自営業者
  • 給与⇒会社員

試しに、下記条件で養育費がいくらになるのかを確認してみましょう。

  • 夫の年収(会社員):600万円
  • 妻の年収:無収入

両者の年収がクロスしたのは、下記の様に「6万円~8万円」です。

以上が養育費算定表を使った養育費相場の確認方法になります。

「これなら自分でもできる!」と思われたのではないでしょうか。

養育費算出の一番のメリットは、誰でも簡単に養育費相場の確認ができる点です。

試しに自分で、あなたの養育費相場を確認してみてください。

条件別に年収600万円の夫と離婚した際の養育費を確認!

それでは、下記条件が変われば年収700万円の夫(会社員)との離婚でもらえる養育費がどう変動するのかを、養育費算定表を使って確認します。

  • 子供の人数
  • 子供の年齢

冒頭で話したように、年収600万円の男性年齢は「45歳以上から50歳未満」が大半を占めます

そのため、離婚を求める女性は専業主婦、子供は少なくても1人、2人もしくは3人というケースも多いでしょう。

下記条件で養育費相場がいくらになるのかを、しっかりと確認するようにしてください。

  • 妻:専業主婦、子供:1人、年齢15歳以上
  • 妻:専業主婦、子供:2人、共に年齢15歳以上
  • 妻:専業主婦、子供:3人、年齢15歳以上2人、年齢14歳未満1人

おそらくあなたに合った条件の養育費相場が確認できるはずです。

自分で確認するのが面倒な人は、下記結果を参考にして養育費相場を確認してください。

子供の年齢・人数別に見る養育費

夫の年収が600万円、妻が専業主婦で無収入の場合、子供の人数と年齢が変わることで、養育費相場は下記の様に変動します。

子供の人数・子供の年齢

養育費相場

子供1人・年齢14歳以下

6万円~8万円

子供1人・年齢15歳以上

8万円~10万円

子供2人・共に年齢14歳以下

10万円~12万円

子供2人・第1子年齢15歳以上/2子年齢14歳以下

12万円~14万円

子供2人・共に年齢15歳以上

12万円~14万円

子供3人・全員年齢14歳以下

12万円~14万円

子供3人・第1子年齢15歳以上/2子、3子年齢14歳以下

14万円~16万円

子供3人・第1子、2子年齢15歳以上/3子年齢14歳以下

14万円~16万円

子供3人・全員年齢15歳以上

16万円~18万円

養育費算定表の養育費は下記3つの条件によって変動を示します。

  • 夫婦それぞれの年収
  • 子供の人数
  • 子供の年齢

そして、この中で注目して欲しいのは夫の年収です。

子供の人数や年齢も養育費の決定金額を左右しますが、年収が及ぼす影響の比ではありません。

下記の年収別によって変動する養育費を見てください。

年収

養育費/

100万円

1万円~2万円

200万円

2万円~4万円

300万円

4万円~6万円

400万円

6万円~8万円

500万円

8万円~10万円

600万円

8万円~10万円

700万円

10万円~12万円

800万円

12万円~14万円

900万円

12万円~14万円

1,000万円

14万円~16万円

年収が養育費に与える影響の大きさは一目瞭然ですよね。

今回の年収600万円の養育費も、比較的高い養育費が設定されていることがお分かりいただけるでしょう。

また、今回の焦点は子供の人数とその年齢による影響ですが、年齢はあまり関係ないようで、基本的に子供が1人増えるごとに2万円が増額されています

子供1人の時の養育費を基準額として考えれば、1人分の増額幅が2万円というのは物足りないと言わざるを得ないのが実情です。

子供の大学進学が前提であるならば、この金額では到底間に合わないのは明白ですよね。

この問題については、今回の養育費相場を踏まえた上で、相手としっかりと話し合う必要があるでしょう。

大学進学で必要になる教育費相場に関しては、下記の記事で詳しく解説しています。

大学進学費用の増額請求例や、増額が認められなかった場合の対処法も解説しているので、子供の大学進学を検討している人は必ず目を通すようにしてください。

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夫婦それぞれが子供を引き取った場合の養育費

養育費算定表の養育費はあなたが子供全員の親権者となり、引き取るケースで算定されています。

そのため、あなたと夫がそれぞれ子供を引き取る際には、養育費相場の確認に用いることはできません。

この様に養育費算定表にないイレギュラーなケースで養育費相場を確認するには、標準計算式という複雑な計算が必要です。

その計算方法は下記の記事で紹介していますが、本来、弁護士等の専門家に算出してもらうのが一般的で、素人が計算しても計算ミスが多発して、かなりの手間が手間が掛かってしまいます。

計算が得意な人なら大丈夫かもしれませんが、そうでないならあまりおすすめはできません。

そこで今回は、誰でも簡単に計算できる方法を紹介しておきます。

あなたと夫がそれぞれ子供を引き取る際には、この計算方法で養育費相場を確認することをおすすめします。

それでは早速、下記条件で養育費相場を計算してみることにしましょう。

  • 夫の年収:600万円
  • 妻:無収入
  • 夫婦がそれぞれ14歳以上の子供を1人ずつ監護

ステップ1:子供の生活指数を確認する

子供の生活指数は、一般的な大人の生活指数を100とした場合、年齢に応じて、子供の生活指数がいくらかを示した数値です。

子供の生活指数は、年齢に応じて下記の2つに区分されています。

  • 0歳~14歳未満:55
  • 14歳以上:90

今回はどちらの子供も15歳以上ですから、生活指数は共に90です。

ステップ2:養育費を支払う子供の生活指数割合を計算する

次は夫が養育費を支払う子供の生活指数割合を計算します。

生活指数割合は養育費を支払う子供の生活指数を、子供全員の生活指数合算値で割ってやれば求められます。

それではまず、子供全員の生活指数合算値を計算しましょう。

今回は2人の子供は共に15歳以上ですから、生活指数合計値は下記の通り180です。

90 + 90 = 180

次はこの生活指数合計値を基に、生活指数割合を計算ます。

15歳以上の子供1人が養育費の権利者となるので、今回の生活指数割合は下記の通り50%です。

90 ÷ 180 = 0.50

⇒生活指数割合50%

また15歳以上の子供が3人いて、あなたと暮らす子供が2人、夫が1人だったとしましょう。

この場合の生活指数合計値は270となり、養育費権利者である子供の生活指数割合は下記のように変動します。

180 ÷ 270 = 0.666

⇒生活指数割合66.6%

計算する際には、養育費を支払う子供の人数と各年齢にくれぐれも注意してください。

ステップ3:養育費算定表から養育費を確認する

次はあなたが子供全員を引き取った際の養育費相場の確認です。

養育費算出の「(表5)養育費・子2人表(第1子及び第2子15歳以上)」で確認しましょう。

この際の養育費は「12万円~14万円」です。

ステップ4:養育費を計算する

ここまでくれば、もう終わったも同じです。

今確認した養育費に、先に計算した生活指数割合を掛けてください。

下記の通り、今回の条件の養育費が算出できました。

「12万円~14万円」× 66.6% = 「約8万円~約9.3万円」

「約8万円~約9.3万円」が今回の条件での養育費相場です。

恐らく何の疑問もなく、読み進めてもらえたと思います。

今のところ、今回紹介した計算方法が、一番簡単に養育費相場を求められる方法です。

若干計算は必要になりますが、計算ミスをするような面倒な計算ではありません。

一度、あなたの条件で計算してみるといいでしょう。

養育費はいつまで請求できるのか

ここまで何度か話に出てきましたが、年収600万円の夫と離婚しようと考えている女性の大半は、大学進学を間近に控えた子供がいると予測されます

そこで養育費の話し合いで養育費の増額と共に重要になるのが、養育費の支払い期間の延長です。

原則、養育費の支払い期間は、子供が成年年齢となる20歳までとされています。

そのため、卒業年齢が22歳となる大学進学では、どうしても養育費の支払い期間の延長が必要です。

「大学進学するんだから、離婚する夫もイヤとは言わないだろう。」と考えているなら考えを改めた方がいいかもしれません。

先におすすめした記事に目を通してもらったなら、既にお分かりかと思いますが、大学進学費用は決して安価なものではありません。

離婚する相手が支払いたいと思っても、そうできないケースも出てくるのです。

しかも、端から支払いを拒否される可能性もあります。

そのため、相手が了承して当然という論理は通用しません。

大学進学を理由に養育費の支払い期間の延長を求める場合には、この実情を踏まえた上で交渉に臨む必要があるでしょう。

この支払い期間の延長の可否については、下記の記事で詳しく解説しています。

ぜひ目を通して、交渉に必要な情報を入手し、有利に交渉をすすめられるようにしてください。

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まとめ

今回は年収600万円の夫と離婚した時、いくらの養育費が請求できるのかを解説しました。

年収600万円の夫と離婚する際に、一番重要になるのは子供の養育費がいくらもらえるかです。

特に進学に係わる教育費が一番掛かる時期ですから、養育費相場だけでは不十分なことは明白です。

交渉では、通常もらえる養育費がいくらになるのかを把握した上で、養育費の増額や支払い期間の延長が交渉の焦点となってくるでしょう。

今回お教えした情報を参考にして、離婚時の交渉を上手く乗り切るようにしてください。

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