不払いの養育費を請求する方法をチェック!法律・時効・費用など押さえておく重要ポイントも併せて紹介!!

離婚時に養育費の取り決めをしていたのに、いつの間にやら支払われなくなってしまった。

このような養育費の不払いは、珍しいことではありません。

不払いとなる理由は人それぞれでしょうが、不払い期間が長くなればなるほど、回収は難しくなってしまいます。

だからといって、そのままにしておくことはできません。

早急に不払いの養育費を回収する方法を模索するべきでしょう。

中には仕方がないと諦めてしまう人もいるようですが、親が子供に対して養育費を支払うのは法的にも認められた逃れられない義務です。

簡単に諦めてしまうことだけはやめてください。

そこで今回は不払いの養育費の請求方法について徹底解説していきます。

どうすれば確実に不払いの養育費を回収できるのかに焦点を当てて解説するので、不払いの養育費回収を切実に願っている人はしっかりと目を通して、請求時の参考にしてください。

不払いの養育費を請求する方法!

不払いの養育費を請求する方法は、下記の様にいくつもあります。

  1. 電話やメール連絡、郵便物による督促
  2. 内容証明郵便の送付による督促
  3. 養育費請求調停の申し立て
  4. 履行勧告または履行命令の申し立て
  5. 強制執行による差し押さえの申し立て

この中でも最も回収効果が高いのが、言わずと知れた強制執行による差し押さえです。

不払いの養育費回収と言えば、この強制執行による差し押さえを頭に浮かべる人が多いでしょう。

確かに不払いの養育費を早急に回収したいのであれば、この強制執行による差し押さえが最善の方法と言えます。

ですが、この申し立てをするにはいくつかの条件が必要で、その条件を満たすために、まずは他の請求方法を試さなければならない人も出てくるのです。

そこで、これら不払いの養育費請求方法のポイントを、試してもらいたい順に見ていくことにします。

実際、強制執行による差し押さえという方法を取らなくても、他の方法で回収できる可能性もあるので、よく目を通すようにしてください。

電話やメール連絡、郵便物による督促

まず、請求の手始めとして挙げられるのが、電話やメール連絡、郵便物による督促です。

不払いといっても、単に忙しくて養育費の振込を忘れていたという可能性もあります。

長期にわたる不払いなら話は別ですが、期日に振り込まれない場合は、決してそのままにしておかず、必ず電話やメール連絡、郵便物による督促を行いましょう。

またこの督促で相手と連絡が取れない場合は要注意です。

早急に弁護士等の専門家に相談して、今後の対策を練る必要があるでしょう。

内容証明郵便の送付による督促

電話やメール連絡、郵便物による督促をしても、依然として支払われない場合、次に取る方法が内容証明郵便の送付による督促です。

内容証明郵便はどんな文書を誰から誰に宛てて郵送したかを、郵便局が証明してくれる制度です

電話やメール連絡、郵便物による督促では、「相手にそんなの知らない。」としらを切られれば証明のしようがありませんよね。

ですが、この内容証明郵便ならばしらを切ることはできません。

つまり、不払いの養育費請求をしたことを、証明する効果もあるというわけです。

また、この内容証明郵便による督促の効果はそれだけではありません。

後述する不払いの養育費の時効を、一時的にストップすることができるのです。

よって、もうすぐ時効を迎えるという時にも、時効を回避する方法として絶大な効果が得られます。

この内容証明郵便の書面には、必ず下記のように家庭裁判所へ不払いの養育費請求調停の申し立てをする旨の文言を記載するようにしてください。

本書面が到着後、○○日以内に養育費の支払い口座へ、本書面に記載した養育費の不払い額を振り込んでください。
なお、期日内に振込が確認できない場合は、家庭裁判所へ不払いの養育費請求調停の申し立てを行います。

相手が裁判所に申し立てるという記載に驚き、支払ってくる可能性は十分にありますし、連絡が取れなかった相手から連絡が入る可能性もあります。

必ず忘れないように記載してください。

内容証明郵便の出し方については、下記HPを参考にしてください。

郵便局HP:内容証明郵便

養育費請求調停の申し立て

内容証明郵便の送付による督促でも効果がない場合、次に取る方法が養育費請求調停の申し立てです。

養育費請求調停とは、家庭裁判所の調停委員の仲介により、当事者同士が養育費について話し合う手続きになります。

この調停が不成立に終わった場合は養育費請求審判に移行され、裁判官による判断が下されます。

この養育費請求調停の申し立ては、離婚時に養育費の取り決めをしている人には必要ない手続きでしょう。

この養育費請求調停は養育費の支払い義務者に対して、今後どうやって養育費を支払っていくかを話し合う場だからです。

養育費請求調停後に、強制執行による差し押さえの申し立てに必要な債権名義を取得できるメリットがあります。

しかし、債権名義を取得するなら支払督促方が簡単に取得できます。(*支払督促の手続き方法は後述する「強制執行による差し押さえの申し立て」で紹介する関連記事で解説しています。)

よって、この養育費請求調停の申し立ては、離婚時に養育費の取り決めをしていない人にのみ必要な手続きだと理解しておきましょう。

履行勧告または履行命令の申し立て

履行勧告と履行命令は、家庭裁判所に養育費の支払いを促してもらう制度です。

この制度は調停や審判で取り決めた養育費が支払われない場合に取る方法で、この2つには下記の違いがあります。

  • 履行勧告:支払わない時のペナルティなし
  • 履行命令:支払わない時には10万円以下の過料が課される

この方法と取る場合は、請求効果のある履行命令の方がおすすめでしょう。

ですが、どちらの方法を取ったとしても、支払いを強制する効果はありません。

10万円支払った方が得だと考える人も多いでしょう。

相手の考えは結婚していたあなたが一番分かっているはずです。

次に紹介する強制執行による差し押さえの申し立てができる人は、この方法は避けて、強制執行による差し押さえの申し立てをした方がおすすめですね。

強制執行による差し押さえの申し立て

ここまで4つの回収方法を紹介してきましたが、どの方法でも支払ってもらえない場合は、この強制執行による差し押さえしか回収する術はありません

早急に申し立ての準備を始めてください。

しかし、注意して欲しいのは、先にも話に出てきたように、強制執行による差し押さえの申し立てをするには、クリアしなければならない条件がある点です。

申し立てには下記3つの条件をクリアしなければなりません。

  • 債権名義を取得している
  • 相手の現住所を把握している
  • 差し押さえる財産情報を把握している

強制執行による差し押さえの申し立ての方法手順と注意点は、下記の記事で詳しく解説しています。

先に話した支払督促の手続き方法も分かりやすく紹介しているので、ぜひ目を通して申し立てる時の参考にしてください。

差し押さえで不払いの養育費請求するのに必要な弁護士費用

先に紹介した請求方法のうち、下記の2つに限っては十分個人で対応できます。

  • 電話やメール連絡、郵便物による督促
  • 内容証明郵便の送付による督促

しかし、それ以降の下記方法においては、弁護士の助力が必要になってきます。

  • 養育費請求調停の申し立て
  • 履行勧告または履行命令の申し立て
  • 強制執行による差し押さえの申し立て

特に最終手段となる強制執行による差し押さえが必要だと考えているなら、早い段階で弁護士を雇って的確な指示を仰いだ方が得策です。

ですが、弁護士を雇えと言われても、その費用を考えれば簡単に「はい!」とは言えませんよね。

一体いくらかかるんだろうと、心配になる人は多いことでしょう。

ここでは差し押さえで不払いの養育費請求するのに必要な弁護士費用について、徹底解説していきます。

はっきり言って弁護士費用は安価ではありません。

だからと言って、簡単に諦めないでください。

弁護士費用は依頼先によって違いがありますし、今では分割払いに対応している弁護士事務所も多く見られるからです。

また、弁護士費用を気にして、請求するタイミングを遅らせるのもやめてください。

チョッとした遅れで、回収不能となる可能性があるからです。

相手が財産隠ししたり、時効を迎えるといった懸念はぬぐえません。

この懸念を回避するためにも、迅速な対応が必要なのです。

まずは、差し押さえで不払いの養育費請求するのに必要な弁護士費用の相場がいくらなのかを把握し、どう支払えばいいのか対策を練るようにしましょう。

その参考になる情報は下記の記事で分かりやすく解説しています。

しっかりと目を通して、差し押さえで不払いの養育費請求するために、どんな準備をすればいいのかを検討してください。

時効を迎えれば不払いの養育費は請求できない!

不払いの養育費を請求する時に、まず知っておかなければならないのが時効の問題です。

不払いの養育費にも時効が存在します。

原則は5年で、条件を満たしているケースでは10年です

この時効期間を過ぎてしまえば、支払義務者は法的に不払い分の養育費を支払う必要がなくなってしまいます。

養育費に時効があるなんて思いもしないせいか、時効の存在を知らない人は少なくありません。

まずは、不払いの養育費についてしっかりと把握しておくことをおすすめします。

この時効に関する知識を把握しておけば、時効を回避することもできますし、時効を迎えた不払いの養育費を回収することだって可能です。

この時効問題に関しては、下記の記事で詳しく解説しています。

しっかりと目を通して、時効を回避する方法と確実に不払いの養育費を回収する方法を身に着けてください。

不払いの養育費はどこまで遡って請求できるのか?

今紹介した記事の中で養育費のスタート時点について解説していましたが、このスタート時点は不払いとなっている養育費をどこまで遡って請求できるのかという問題にも直結しています

不払いの養育費の時効期間は下記のどちらなのかで、スタート時点が異なるとお教えしました。

  • 養育費の取り決めをしている
  • 養育費の取り決めをしていない

不払いの養育費請求ができるのは、時効期間がスタートしてから不払いとなっており、時効を迎えていない分に限定されます。

つまり、養育費の取り決めをしていない人の方が、請求できる養育費は少なくなるというわけです。

たとえ2018年4月に離婚したとしても、養育費の取り決めをしたのが2020年5月だとすれば、請求できるのは2020年5月以降の不払い分だけになります。

本来なら存在する、丸2年分の養育費は請求できないというわけです。

きっちりと養育費を回収したいならば、できるだけ早く養育費の取り決めをすることが必要不可欠になります。

離婚時に養育費の取り決めをしていない人は、至急相手に連絡を取って話し合うようにしてください。

2020年の法改正で養育費の不払い者に対して罰則が設けられた!

不払いの養育費に関する取り決めを定めているのが民事執行法です。

不払いの養育費を回収する際は、この民事執行法に抵触しない回収方法を取らなければ、法的罰則に問われることになります。

不払いだからといって、どんな手を使って回収してもいいというわけではないのです。

この民事執行法に則った回収が求められます。

実はこの民事執行法が改正されて、新たに2020年4月に施行されました。

そして、この改正民事執行法で注目してもらいたいのが、変更された重要ポイントの1つである罰則の強化です。

民事執行法では強制執行による差し押さえの申し立て時に必要な、差し押さえ財産の調査方法として財産開示手続が設けられています。

財産開示手続とは、養育費を支払わない相手を裁判所に出頭させて、所有財産を開示させる手続きです。

ですが、出頭拒否や虚偽申告をした際の罰則が軽かったため、実際、この手続きで正確な財産を把握することはできませんでした。

しかし、法改正に伴い罰則が強化され、刑事罰が下されることになったのです。

支払わないことに対して刑事罰が下されることを望んでいる人は多いでしょうが、これはこれで大きな効果が期待できる変更ポイントと言えます。

刑事罰が下されることで出頭拒否や虚偽申告を防ぎ、正確に相手の所有財産を把握できる可能性が高くなったからです。

これについては下記の記事で詳しく解説しています。

この法改正では他にも、財産情報を調べるための変更・追加点が実施されています。

差し押さえる財産が特定できていない人は、ぜひ目を通して調査方法を調べてみてください。

地方自治体による養育費不払いの立て替え制度も検討しよう!

不払いの養育費回収に悩んでいる女性に朗報があります。

近年、全国各地の地方自治体が養育費不払いの立て替え制度に着手したのです。

地方自治体があなたに代わって相手に支払督促し、支払われない場合、不払いの養育費を立て替えてくれるようになりました。

この立て替え制度は以前から保証会社が事業として取り組んでいましたが、地方自治体がその保証会社と連携して、この事業を展開しています。

保証会社のサービスを利用するには保証料が必要ですが、この制度を利用すればその保証料も掛かりません

この制度を実施している地方自治体は限られていますが、お住まいの地域で実施されているならば、ぜひ利用を検討してもらいたい制度です。

まずはお住まいの地方自治体HPを確認して、この制度が実施されているかを確認してみましょう。

今後は国による強制徴収にも期待が!!

また国もこの地方自治体の取り組みを受けて、2020年6月に法務省と厚生労働省が、養育費不払い問題の解消に向け検討会を設置しました。

実際に強制徴収や刑事罰、立て替え制度を導入している欧米を参考にして、その論点を2020年度内にまとめるとのことです。

直ぐに養育費不払いの防止策に関する法改正が実施されるとは言えませんが、近い将来、国家権力による不払いの養育費回収が現実となる可能性はあります。

今後の動向に期待したいところですね。

養育費の不払いを防止する方法

個人で養育費の不払いを防止することは、簡単なことではありません。

できることも限られてきます。

悪いことをしたら罰が下される。

これは倫理的に考えても当然の事ですし、立件国家においてそれが法律によって規定されているのも当然の事でしょう。

しかし、残念ながら養育費の不払いに対して、法的罰則が下されることはありません。

日本において養育費の不払いが横行している要因に1つは、養育費の不払いに対する法的罰則が整備されていないことにあると言っても過言ではないでしょう。

ですが、個人でできることが限られているとはいえ、やはり、できることはやってみるべきです。

取れる方法をやるとやらないでは、確実に結果に影響してきます。

その方法として挙げられるのは下記の2つです。

  • 養育費の取り決めを公正証書で作成しておく
  • 面会交流を認める

それではこれら2つがどのような防止効果を生むのかを、見てみることにしましょう。

養育費の取り決めを公正証書で作成しておく

まず、やってもらいたいのが養育費の取り決めを書面化し、それを必ず公正証書で作成することです。

離婚時ならば離婚協議書を公正証書にすればいいでしょう。

公正証書は公証人法に基づいて、法務大臣が任命した公証人によって作成された公文書ですから、公的な証明力と執行力を有します。

そのため、裁判時には絶大な証拠能力を発揮することになるのです。

また、公正証書は「強制執行認諾条項」を定めた執行認諾文言付き公正証書として作成してください。

そうしておけば、債権名義の効力を発揮するので、直ちに強制執行による差し押さえの申し立てができます。

不払い時に財産が差し押さえられることが分かっているため、不払いに対する抑止力が働くでしょう。

特に協議離婚者には絶対にやって欲しいことです。

日本における協議離婚率は87.2%と高い数値を誇っていますが、協議離婚では債権名義を取得できません

協議離婚時に債権名義を取得するには、協議離婚書を執行認諾文言付き公正証書として作成するしか方法はないのです。

養育費が不払いとなり、強制執行による差し押さえの申し立てをしなければならなくなった時は、この債権名義が必ず必要になります。

これを考慮すれば、やはり離婚時に協議離婚書を執行認諾文言付き公正証書として作成しておく必要はあるでしょう。

面会交流を認める

次にやってもらいたいのが、きちんと面会交流を認めることです。

養育費の不払いとなる理由の1つに挙げられるのが、子供への愛着の薄れです。

自分の子供とはいえ、離れて暮らす期間が長期に渡れば、いなくなって寂しいという感情はどうしても薄れてしまいます。

これは仕方のないでしょう。

相手に対する人の感情が一番安定するのは、いかなる場合でも相手との距離感が変わらない関係にあることだと言われています。

よって、離婚後離れて暮らしている元夫が、子供に対して愛着を抱き続けられる関係性を維持することこそが、子供に対する責任を全うしなければならないという責任感を生むことになるのです。

離婚後は元夫との縁を切りたいが故に、面会交流を認めない母親も少なくありません。

感情的には十分理解できることです。

しかし、面会交流を認めて、子供との関係性を維持することは、養育費の不払いを防止する効果を生み出します。

離婚理由が元夫のDV等、特別な事情があれば話は別ですが、そうでないなら面会交流は認めた方が得策です。

事実、面会交流を認めないから、養育費は支払わないという男性も少なくありません。

必ずしも絶大な効果があるとは言えませんが、ぜひ検討してみるようにしてください。

まとめ

今回は不払いの養育費を回収する方法と、その注意点について解説しました。

不払いの養育費は相手に資金さえあれば、絶対に回収することができます。

今回紹介した回収方法にしっかり目を通してもらったならば、回収できそうと感じてもらえたのではないでしょうか。

2020年の法改正に伴い、強制執行による差し押さえができる人もずいぶん増えるはずです。

また、今回紹介したように地方自治体による、養育費不払いの立て替え制度も用意されています。

まずは諦めることなく、どうすれば不払いの養育費を回収できるのかを模索して、不払いの養育費問題を解決してください。

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