離婚時に養育費の取り決めをした夫婦は40%強で、継続して養育費を受け取っている母子世帯は24%強にしか過ぎません。
つまり、養育費の取り決めをした夫婦の40%で、養育費の未払いが起こっている状態なのです。
それではなぜ、養育費の支払い拒否が40%もの高い数値となっているのでしょう。
これは実に興味の湧くところです。
また、この現状を考えれば、養育費の支払いを拒否された時の対処策にも、万全を期する必要もあるでしょう。
そこで今回は取り決めた養育費の支払いが拒否される理由と、未払いとなった養育費の回収方法について徹底解説していきます。
養育費の取り決めをしたのに支払いを拒否されたという人は、しっかりと目を通して、正しい対処法を身に着けるようにしてください。
離婚後に養育費の支払いを拒否する人が多い理由
冒頭で紹介したように、養育費の取り決めをしたにもかかわらず、支払い拒否を決め込んでいる人が多いのには驚きです。
養育費の支払い拒否率が40%ということは、5人に2人が養育費の支払いを拒否されている計算になります。
それではなぜ、このように支払い拒否をする人が多いのでしょうか?
これはひとえに不払いをしても、何ら実効的処罰が下されることがないことに尽きるでしょう。
養育費の支払い義務があるとはいえ、支払わなかったからといって、罪に問われることはありません。
つまり、日本では養育費の支払いを拒否した時の、実効的制度が何ら整備されていないのです。
養育費の支払いが親としての責任であることを考慮すれば、罰せられないから払わなくてもいいという考えは通りません。
しかし、罰則がないことが、支払い拒否率を大きくしているのは確かでしょう。
この問題については下記の記事で詳しく解説しています。
世界各国が養育費未払いに対して、どのような対応を取っているのかにも触れています。
いかに日本がこの分野で遅れているのかが実感できるでしょう。
養育費の支払いを拒否されたら、面会交流も拒否しても問題ない?
離婚した女性からよく寄せられる質問の中には、
「養育費を支払わないなら、子供に会わせなくない!」
「これって、当然の話ですよね?」
といった内容のものが多く見られます。
事実、このように考えている女性は多いのではないでしょうか。
ですが、この考えは大間違いです。
面会交流は養育費を支払うことに対するご褒美ではありません。
これら2つは全く異なる権利なのです。
そのため、「養育費を支払わないから、子供に会わせない!」という主張は、認められません。
近年は年々、離れて暮らす元夫が子供との面会交流を求めて、面会請求調停を申し立てるケースが増加しています。
よって、子供を育てている親権者は、養育費と面会交流の関係性を正しく理解して、この請求に対処する必要があるのです。
これについては下記の記事で詳しく解説しています。
現在、この問題に直面している人や興味のある人は、ぜひ記事に目を通して、正しい情報と対処法をゲットしてください。
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拒否されたからといって諦めないで!養育費の回収方法を徹底解説!
養育費の支払いを拒否されたからといって、簡単に諦めないでください。
親は子供に対して扶養義務が課されており、社会人として立派に成長するまで、子供を扶養しなければなりません。
よって、支払いを拒否したとしても、この義務から解放されるわけではないのです。
相手が養育費の支払いを拒否した場合は、まず、その回収方法を模索することをおすすめします。
現在は民事執行法の改正により、養育費の差し押さえがしやすい環境になっています。
以前なら泣き寝入りしなければならないケースでも、十分、財産差し押さえによって未払いの養育費を回収できるようになりました。
諦める前に、まずは差し押さえによる回収を検討してみましょう。
これについては下記の記事で詳しく解説しています。
現在、支払い拒否で養育費が未払いになっている人は、是非この記事に目を通して、確実に回収できる方法を身に着けてください。
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養育費の差し押さえは公正証書の「ある・なし」で大きく違ってくる!
未払いの養育費の回収方法として挙げられるのが財産の差し押さえです。
話し合いでらちが明かないのであれば、最終的にはこの方法を取るしか道はないでしょう。
しかし、簡単に差し押さえと言いますが、これには裁判所命令が必要です。
養育費を支払わない時には、差し押さえができると安易に考えている人もいるでしょうが、これは大きな勘違いです。
基本的には家庭裁判所へ養育費請求調停の申し立てが必要となり、差し押さえできるまで、かなりの時間と労力が必要になります。
決して「エイ!ヤア!」でできることではないのです。
しかし、離婚協議書を公正証書として作成していれば話は別で、この面倒な課程を省いて、直ぐに差し押さえの申し立てができます。
差し押さえにおける、公正証書の効力については下記の記事で詳しく解説しています。
ぜひ目を通して、公正証書の必要性を理解するようにしてください。
まとめ
離婚時に養育費の取り決めをしたとしても、それが養育費を支払い続けてもらえる確証になるわけではありません。
これは養育費支払いを拒否する人が多いことからも明らかです。
よって、養育費を受け取る権利者は、拒否されて未払いとなった時の対処法を理解しておくべきでしょう。
今回紹介した情報を参考に、もしもの時には万全の態勢で対応に臨めるようにしてください。
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