離婚時に養育費の取り決めをしている夫婦は、ほんの40%にしか過ぎません。
取り決めをしない理由には様々なものがありますが、これは決して高い数字とは言えないでしょう。
ですが、近年、養育費未払いが社会問題としてクローズアップされ、法改正に伴い未払いの養育費回収がずいぶん楽にできるようになりました。
それもあって、未払いの養育費請求を真剣に考える人がずいぶんと出てきたようです。
そこで問題となるのが養育費の時効です。
知らない人もいるでしょうが、養育費にも時効が存在します。
よって、長期間請求せずに放っておいた養育費は、時効の対象になっている可能性が出てくるのです。
特に10年以上何もしないで放ったらかしのケースでは、回収できる可能性は低いでしょう。
ですが、諦める必要はありません。
請求していない未払いの養育費を、回収できる可能性もあるからです。
そこで今回は請求していない未払いの養育費は回収できるのかを徹底解説します。
長らく請求していなかった養育費を回収したいと考えている人は、しっかりと目を通して回収条件と回収方法を理解するようにしてください。
10年未払いになっている養育費が時効を迎えている可能性
未払いになっている養育費は回収可能です。
ですが、未払いの全てを回収できるかとなれば、NOと言わざるを得ないでしょう。
未払いの養育費請求をする場合、重要になるのが下記の2つです。
- 離婚形態
- 養育費の取り決めの有無
この2つがどうかによって、請求できる養育費の額は大きく異なります。
それではこれら2つの条件が未払いの養育費回収に、どう影響してくるのかを見ていくことにしましょう。
離婚形態によって養育費の時効期間は大きく変わる!
まず、未払いの養育回収で重要なポイントになってくるのが、冒頭でも出てきた時効です。
養育費の時効期間は原則5年で、毎月支払われる養育費の支払い日から5年を経過すると時効を迎えます。
よって、タイトルでもある10年以上未払いとなっている養育費は、時効を迎えている言わざるを得ないでしょう。
ですが、これは裁判所を介さない協議離婚をした人の場合です。
協議離婚ではなく調停離婚や判決離婚のように、裁判所を介して離婚した場合、時効期間は10年に延長されます。
まずはどのような形態で離婚したかが、時効期間を決定するポイントとなってくるというわけです。
しかし、時効を迎えているからといって、必ずしも未払いの養育費回収が不可能なわけではありません。
時効を迎えた養育費でも、十分に回収できる可能性は残されているのです。
この時効についての問題は、下記の記事で詳しく解説しています。
時効に関する重要な情報を分かりやすく紹介しているので、長らく養育費の請求をしていない、時効が気になるという人はしっかりと目を通して、未払いの養育費回収の参考にしてください。
養育費の取り決めをしていない人はすぐに行動を!!
養育費が未払い状態になっている人は、下記のいずれかに分類できます。
- 養育費の取り決めをしていたが、いつの間にか未払いになった
- 養育費の取り決めをしておらず、一度も養育費を受け取ったことがない
実はあなたがどちらに該当するかで、回収できる養育費の額面が大きく違ってくるのです。
結論から言うと、養育費の取り決めをしていない人は、取り決めをしている人よりも請求できる額面が確実に少なくなってしまいます。
これは未払い分として請求できる期間に、大きな隔たりがあるからです。
養育費の取り決めをしている場合は、未払いになった時点分からが回収対象になります。
よって、2018年8月から2020年9月までが未払いであれば、合計24か月分の養育費を未払いとして請求可能です。
時効期間を迎えていない、未払い分の養育費なら、全額請求できるというわけですね。
しかし、取り決めをしていない場合は、遡って養育費の請求をすることはできず、請求意思を示した時点から発生する養育費しか回収できません。
つまり、2018年8月から2020年9月までが未払いで、2020年10月にあなたが初めて請求したとすれば、過去24か月間に発生した養育費の回収はできないのです。
請求できるのは2020年10月分からになります。
よって、養育費の取り決めをしていない人は、養育費請求を早急にしなければなりません。
先に延ばせば延ばすほど、受け取れる養育費は少なくなってしまうからです。
養育費の取り決めと請求は離婚後でもできますが、実際に受け取れるのは明確な請求意思を示した時点からになります。
これに関しては下記の記事で詳しく解説しているので、離婚時に養育費の取り決めをしていない人は必ず目を通すようにしてください。
養育費の取り決めを請求する方法や、もらえる養育費相場も分かりやすく紹介しているので、知識として身に着けて養育費回収の参考にしましょう。
ーーー
あなたが請求できる養育費相場を知ろう!
養育費の取り決めをしているならば、もらえる養育費について今さらどうこう言う必要はありません。
しかし、これから取り決めをするという人は、いくらもらえるのかは気になるところでしょう。
請求できる養育費は人によって異なります。
下記3つの条件によって、請求できる養育費相場が異なるからです。
- 離婚した夫婦それぞれの年収
- 子供の人数
- 子供の年齢
特に養育費を支払う義務者となる、元夫の年収は養育費相場を決定する上で、一番大きな決定要因となってきます。
基本的に元夫の年収が高いほど、養育費相場は大きくなってくるからです。
まずは、養育費の取り決め交渉をする際は、自分が請求できる養育費相場を知らなければ話になりません。
これは取り決め交渉前に、しっかりと把握しておくべき情報です。
これに関しては下記の記事で分かりやすく解説しています。
下記年収別に分類し、子供の人数と年齢が異なればいくらの養育費相場になるのかを紹介しています。
- 年収200万円
- 年収300万円
- 年収350万円
- 年収400万円
- 年収500万円
- 年収600万円
- 年収700万円
- 年収800万円
- 年収1,000万円
あなたがいくら養育費を請求できるのか、その相場を確認してみましょう。
ーーー
まとめ
今回は未払いになっている時効について解説しました。
養育費の時効は5年、もしくは10年です。
そのため長期間、未払いの養育費請求をしてなければ、時効を迎えて請求できない可能性も出てくるでしょう
また、離婚時に養育費の取り決めをしていない人は、請求が遅れるほど回収できる養育費は少なくなってしまいます。
よって、未払いの養育費を回収には、迅速な対応が必要不可欠です。
今回話した内容を参考にして、未払いの養育費がある人は早急に行動へ移すようにしてください。
コメント